03働く場所

特例子会社とは(しくみ・要件・違い)

特例子会社とは、障害のある人の雇用に特別な配慮をし、国の認定を受けた子会社です。認定を受けると、特例子会社で働く人は親会社が雇っているものとみなされ、親会社の障害者雇用率に数えられます。全国に631社あります(令和7年(2025年)6月1日)。

  • 全国の特例子会社631社
  • 特例子会社で働く障害のある人(実際の人数)41,902人
  • 民間企業で働く障害のある人のうち、特例子会社で働く人7.0%

更新日 2026.10.30 データの時点 令和7年(2025年)6月1日現在 認定の要件は厚生労働省『「特例子会社」制度の概要』(2026年10月30日確認)
編集・監修 徳永崇志(株式会社イチドキリ 代表取締役。就労継続支援B型事業所 ぽちぽちの道を運営)

01しくみ

特例子会社は、どんなしくみ?

障害のある人を雇う義務は会社ごとにかかりますが、認定を受けた子会社で雇う人は、親会社の雇用率に数えられます。

民間企業は、従業員の2.7%以上、障害のある人を雇う義務があります(法定雇用率。2026年7月から)。この義務は、会社ごとにかかります。

そこで国は、親会社が障害のある人の雇用に特別な配慮をした子会社をつくり、要件を満たして認定を受けた場合に、その子会社で働く人を親会社が雇っているものとみなすことにしています。これが特例子会社の制度です。特例子会社を持つ親会社は、ほかの関係する子会社も合わせて、企業グループで雇用率を数えることもできます(グループ適用)。グループ適用を受けているのは394グループです(令和7年(2025年)6月1日現在)。

出典: 厚生労働省『「特例子会社」制度の概要』(令和7年(2025年)6月1日現在)。制度のもとは『障害者の雇用の促進等に関する法律 第44条』。法定雇用率は厚生労働省・都道府県労働局・ハローワーク『障害者雇用のご案内 ~共に働くを当たり前に~ 事業主の方へ』。

02認定の要件

特例子会社の認定の要件は?

親会社が子会社を支配していることと、子会社の側の4つの要件です。障害のある人の人数と割合には、下限があります。

親会社の要件

  • 子会社の意思決定機関(株主総会など)を支配していること。たとえば、子会社の議決権の過半数を持っていること。

子会社の要件

  1. 1親会社との人のつながりが強いこと。たとえば、親会社から役員が来ていること。
  2. 2雇っている障害のある人が5人以上で、全従業員の20%以上であること。そのうち、重度身体障害・知的障害・精神障害のある人が30%以上であること。
  3. 3障害のある人の雇用管理をきちんと行える力があること。たとえば、障害のある人のための設備の改善や、専任の指導員を置いていること。
  4. 4そのほか、障害のある人の雇用の促進と安定が確実に達成されると認められること。

出典: 厚生労働省『「特例子会社」制度の概要』。言い回しは、意味を変えずにやさしくしています。

03メリット

国は、どんなメリットを挙げている?

働く人にとっては、雇用の機会が広がることと、配慮された職場で力を発揮できることです。会社にとっての点も4つ挙げています。

障害のある人にとって

  • 特例子会社ができることで、雇用の機会が広がる。
  • 障害に配慮された職場で、一人ひとりが力を発揮する機会が得られる。

会社にとって

  • 障害の特性に合わせた仕事を用意し、職場の環境を整えやすくなる。
  • 職場に定着する人がふえ、生産性が上がることが期待できる。
  • 障害のある人を受け入れるための設備に、まとめて投資できる。
  • 親会社と違う労働条件を決められ、雇用の管理を柔軟にできる。

会社にとっての最後の点は、働く人から見ると、給料や勤務の決まりが親会社と同じとは限らないということです。応募の前に、求人票と採用ページで確かめます。

出典: 厚生労働省『「特例子会社」制度の概要』の「特例子会社によるメリット」。言い回しは、意味を変えずにやさしくしています。

04一般の会社との違い

一般の会社の障害者雇用と、どう違う?

雇用率の数え方と、職場に障害のある人が多いことが違います。給料や雇用の形は、認定の要件に入っていません。

特例子会社と一般の会社の障害者雇用の違い
くらべること特例子会社一般の会社
雇用率の数え方親会社の雇用率に数えるその会社の雇用率に数える
障害のある社員の割合全従業員の20%以上(認定の要件)法定雇用率の2.7%以上が義務
支える体制専任の指導員や設備など、雇用管理の力が要件会社ごと(合理的配慮はどの会社にも義務)
給料・雇用の形要件にない。会社ごと会社ごと
働く人の数民間企業で働く障害のある人の7.0%残りの人

仕事の中身や配慮の書き方は、採用ページを読んでくらべています。特例子会社で紹介されている仕事は、事務補助が最も多いです。

特例子会社の実態(仕事・働き方・配慮)

出典: 厚生労働省『「特例子会社」制度の概要』、厚生労働省・都道府県労働局・ハローワーク『障害者雇用のご案内 ~共に働くを当たり前に~ 事業主の方へ』、厚生労働省『令和7年 障害者雇用状況の集計結果』。合理的配慮は『障害者の雇用の促進等に関する法律 第36条の2〜第36条の4(合理的配慮の提供・相談体制)』。

05デメリットと言われる点

デメリットと言われる点は?

給料が低い、仕事が単調、正社員になりにくい、と言われることがあります。数字で言えることと言えないことを分けて確かめました。

特例子会社だけの給料や離職率は、国の統計には見当たりませんでした。採用ページで雇用の形を書く特例子会社66社のうち、正社員を書く会社はおよそ3割(19社)でした。

特例子会社は「やめとけ」?給料・デメリットを数字で確かめる

出典: 株式会社イチドキリ編集部『障害者雇用 採用ページ調査2026(埼玉・東京270社)』。

06どこにある

特例子会社は、どこにある?

東京都が201社で最も多いです。都道府県ごとの一覧と、親会社の名前から探せる一覧があります。

都道府県から探す 親会社から探す 求人の探し方

出典: 厚生労働省『特例子会社一覧』(令和7年(2025年)6月1日現在)。

07よくある質問

よく聞かれることは?

一般の会社との違い、全国の数、デメリット、B型からめざせるかに答えます。

Q特例子会社とは、かんたんに言うと?

障害のある人が働けるように、仕事や職場を整えた子会社です。国の認定を受けると、そこで働く人を親会社が雇っているものとして数えられます。

Q一般の会社の障害者雇用とは、何が違う?

一般の会社では、その会社の部署の中で働き、その会社の雇用率に数えます。特例子会社では、障害のある人が多く働く子会社で働き、親会社の雇用率に数えます。給料や雇用の形は、認定の要件には入っていないので、会社ごとに確かめます。

Q特例子会社は、全国にいくつある?

全国の数と都道府県ごとの数は、特例子会社一覧(全国)のページに載せています。都道府県を押すと、その都道府県の会社の一覧へ進みます。 特例子会社一覧(全国)

Q特例子会社のデメリットは?

給料が低い、仕事が単調、正社員になりにくいと言われることがあります。国の統計と採用ページの調査で言えることと言えないことを、別のページで分けて確かめています。 「やめとけ」と言われる点を数字で確かめる

QB型事業所から、特例子会社をめざせる?

めざせます。実習やトライアル雇用で職場を試してから応募する道もあります。B型から特例子会社までの道のりは、同じ株式会社イチドキリが運営する別のサイトのコラムにまとめています。 B型から特例子会社への道のり(ぽちぽちの道のコラム)

08出典と確認日

このページの出典と確認日

国の制度の概要、障害者雇用状況の集計結果、事業主向けの案内、編集部の採用ページ調査から書いています。

  1. 1厚生労働省『「特例子会社」制度の概要』。令和7年(2025年)6月1日現在。2026年10月30日確認。
  2. 2厚生労働省『令和7年 障害者雇用状況の集計結果』。令和7年(2025年)6月1日現在・令和7年(2025年)12月19日公表。2026年10月22日確認。
  3. 3厚生労働省・都道府県労働局・ハローワーク『障害者雇用のご案内 ~共に働くを当たり前に~ 事業主の方へ』。令和8年(2026年)4月1日現在。2026年10月21日確認。
  4. 4厚生労働省『特例子会社一覧』。令和7年(2025年)6月1日現在。2026年10月22日確認。
  5. 5株式会社イチドキリ編集部『障害者雇用 採用ページ調査2026(埼玉・東京270社)』。2026年10月17日・20日確認。