企業の方へ障害者雇用の制度
法定雇用率を満たさないと、罰金やペナルティはある?
法定雇用率を満たさないこと自体の罰則は、障害者雇用促進法に定められていません。30万円以下の罰金がかかるのは、障害者雇用状況の報告をしないときや、雇入れ計画の作成命令に従わないときです。未達成企業には納付金とハローワークの指導が段階を追ってかかり、改善しなければ企業名が公表されます。
令和6年度(2024年度)は、作成命令が446社、勧告が62社、特別指導が37社で、企業名の公表は0社でした。年度ごとの公表の社数と、公表された会社の一覧は企業名公表の一覧にまとめています。
更新日 2026.10.31 データの時点 令和6年度(2024年度)(厚生労働省の集計)
編集・監修 徳永崇志(株式会社イチドキリ 代表取締役。就労継続支援B型事業所 ぽちぽちの道を運営)
01満たさないと何が起きる?
法定雇用率を満たさないと、何が起きる?
お金の面では障害者雇用納付金がかかり、雇用の面ではハローワークの指導が段階を追って入ります。指導の最後が企業名の公表です。
常用労働者が100人超の会社は、法定雇用率に足りない人数に応じて、毎年度、納付金を納めます。これとは別に、実雇用率の低い会社には、厚生労働省とハローワークが次の順で指導します。
- 障害者雇用状況の報告(毎年の報告)
- 障害者雇入れ計画の作成命令
- 雇入れ計画の適正実施勧告
- 企業名の公表を前提にした特別指導
- 企業名の公表
法定雇用率を満たしていない会社は65,033社でした(令和7年(2025年)6月1日現在)。作成命令を受けるのはそのうち不足の多い会社などで、企業名の公表まで進む会社はさらに少なくなります。いまの民間企業の法定雇用率は2.7%(2026年7月から)です。
出典: 障害者雇用のご案内(出典4)、障害者雇用状況の集計結果(出典6)、障害者雇用促進法(出典2)。
02罰金はある?
障害者雇用に罰金はある?かかる場面と、かからない場面
罰金がかかるのは、報告や計画などの手続きを怠ったときです。法定雇用率を満たさないこと自体は、罰則の条文に挙がっていません。
| 場面 | 罰則 |
|---|---|
| 障害者雇用状況の報告をしない、うその報告をする | 30万円以下の罰金 |
| 雇入れ計画の作成命令に従わず計画を作らない、作った計画をハローワークに出さない | 30万円以下の罰金 |
| 納付金について、高齢・障害・求職者雇用支援機構から求められた報告や文書を出さない、うその報告や文書を出す | 30万円以下の罰金 |
| 障害のある社員を解雇するときの届出をしない、うその届出をする | 30万円以下の罰金 |
| 国から求められた報告をしない、職員の質問に答えない、立入検査を拒む | 30万円以下の罰金 |
会社の代表者や従業者が、会社の業務としてこれらの違反をしたときは、行為をした人のほか、会社にも罰金がかかります(両罰規定)。
一方で、法定雇用率を満たす義務に違反したこと自体は、障害者雇用促進法の罰則の条文に挙がっていません。厚生労働省の職業安定局長は平成30年(2018年)11月20日の参議院厚生労働委員会で、「雇用率の達成そのものについての罰則」は民間企業についても規定していないと答えています。満たさないときに会社にかかるのは、罰金ではなく、納付金と行政指導です。
出典: 障害者雇用促進法(出典1)、障害者雇用分科会の資料(出典3)。
03納付金
納付金はペナルティ?払わないとどうなる?
納付金は罰金ではなく、事業主どうしの経済的な負担を調整する制度です。納めても、雇う義務はなくなりません。
常用労働者が100人超の会社は、法定雇用率に足りない1人あたり月額50,000円の障害者雇用納付金を、高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)に納めます。国の資料は、納付金を納めても雇用義務は免除されないと書いています。
申告や納付をしないときは、法律で次のように決まっています。
| 場面 | 決まり |
|---|---|
| 申告をしない、申告に誤りがある | 機構が納付金の額を決めて告知します。その額に10%の追徴金がかかります(天災など、やむを得ない理由のときを除きます)。 |
| 期限までに納めない | 機構が督促状で督促します。督促状で指定する期限は、督促状を発する日から10日以上先です。 |
| 督促された | 納付期限の翌日から、年14.5%の延滞金がかかります。督促の期限までに全額を納めたときなどは、延滞金はかかりません。 |
| 督促の期限を過ぎても納めない | 機構が厚生労働大臣の認可を受けて、国税の滞納処分の例により処分します(差押えなど)。 |
出典: 障害者雇用のご案内(出典4)、障害者雇用分科会の資料(出典5)、障害者雇用促進法(出典1)。
04行政指導の流れ
行政指導はどう進む?作成命令から企業名公表まで
ハローワークの作成命令から始まり、勧告、特別指導を経て、改善しなければ厚生労働大臣が企業名を公表します。どの会社が対象になるかの基準は、厚生労働省の運用で決まっています。
| 段階 | 中身 | 対象になる会社(国の運用の基準。どれかに当たれば対象) |
|---|---|---|
| 障害者雇用状況の報告 | 毎年6月1日現在の雇用の状況を、7月15日までにハローワークへ出します。 | 雇う義務のある会社 |
| 雇入れ計画の作成命令 | ハローワークの所長が、翌年1月から2年間の雇入れ計画を作るよう命令します。 | 実雇用率が前年6月1日現在の全国平均の実雇用率に届かないうえ、不足数が5人以上/不足数が10人以上/法定雇用障害者数が3人または4人で、障害のある人を雇っていない |
| 適正実施勧告 | 計画の進み方が悪い会社に、計画1年目の12月に、計画をきちんと進めるよう勧告します。 | 計画の実施率が50%未満/計画1年目の12月1日現在の実雇用率が、計画を始める前の6月1日現在の実雇用率を上回っていない |
| 特別指導 | 雇用の状況の改善が特に遅れている会社に、計画期間が終わった後、公表を前提にした指導を9か月間行います。 | 計画の終期の実雇用率が、計画1年目の6月1日現在の全国平均の実雇用率に届かない/不足数が10人以上/法定雇用障害者数が3人または4人で、障害のある人を雇っていない |
| 企業名の公表 | 厚生労働大臣が、社名・本社・業種などを公表します。 | 特別指導の期間が終わった後の1月1日現在の実雇用率が、全国平均の実雇用率に届かない(令和5年度(2023年度)の公表では、令和4年(2022年)の全国平均2.25%が基準)/法定雇用障害者数が3人または4人で、障害のある人を雇っていない |
表の基準は、法律や省令ではなく、厚生労働省と労働局の資料にある運用の基準です。作成命令の基準は愛知労働局の資料に、勧告と特別指導の基準は厚生労働省の審議会の資料(平成31年(2019年)1月18日)に載っています。法律は、作成命令を「必要があると認める場合」に出せること、計画を作った会社が正当な理由なく勧告に従わないときに企業名を公表できることを定めています。
特別指導では、ハローワークの所長が会社の責務やこれまでの経緯を説明し、雇用の事例や求職者の情報を紹介し、面接会への参加を勧めます。必要に応じて労働局の幹部が会社を訪ねたり、厚生労働省に来てもらって指導したりします。不足数が特に多い会社には、厚生労働省の本省が会社の幹部を直接指導することもあります。
初めての公表は、次のどちらかに当たれば猶予されます。ア:これまでの取り組みから、実雇用率がすぐに全国平均以上になるか、不足数がなくなる見込みがある。イ:特別指導の期間が終わった後の1月1日から1年以内に特例子会社を作り、実雇用率が全国平均以上になるか、不足数がなくなると判断できる。
公表の後も指導は続きます。改善しなければ作成命令がもう一度出され、新しい計画の期間が終わった後に、もう一度公表(再公表)された会社もあります。
出典: 障害者雇用状況の集計結果(出典6)、施行規則(出典11)、愛知労働局の集計結果(出典8)、障害者雇用分科会の資料(出典5)、企業名公表の資料(出典9)、障害者雇用促進法(出典2)。
05指導の件数
指導を受けた会社は、何社ある?
令和6年度(2024年度)は、作成命令が446社でした。勧告、特別指導、企業名の公表と段階が進むほど、対象の会社は少なくなります。
| 指導 | 令和5年度(2023年度) | 令和6年度(2024年度) |
|---|---|---|
| 雇入れ計画の作成命令 | 219社 | 446社 |
| 適正実施勧告 | 63社 | 62社 |
| 特別指導 | 33社 | 37社 |
| 企業名の公表 | 1社 | 0社 |
| 雇入れ計画を実施中の会社 | 502社 | 338社 |
企業名の公表の数は、公表を前提に指導した会社の結果です。令和5年度(2023年度)は47社を指導し、28社が雇用義務を達成し、4社は公表を猶予して、公表は1社でした。令和4年度(2022年度)は55社を指導し、31社が雇用義務を達成し、10社は公表を猶予して、公表は5社でした。
出典: 障害者雇用状況の集計結果(出典6・7)、企業名公表の資料(出典9・10)。
06企業名公表の一覧
企業名公表の一覧(年度ごとの社数と、公表された会社)
企業名の公表は毎年あるわけではなく、令和6年度(2024年度)は0社でした。未達成企業の一覧は国の資料にはなく、国が社名を出すのはこの公表の対象になった会社だけです。
| 年度 | 公表した会社 | うち再公表 |
|---|---|---|
| 平成18年度(2006年度) | 2社 | ― |
| 平成19年度(2007年度) | 1社 | 1社 |
| 平成20年度(2008年度) | 4社 | ― |
| 平成21年度(2009年度) | 7社 | 1社 |
| 平成22年度(2010年度) | 6社 | 2社 |
| 平成23年度(2011年度) | 3社 | 1社 |
| 平成24年度(2012年度) | 0社 | ― |
| 平成25年度(2013年度) | 0社 | ― |
| 平成26年度(2014年度) | 8社 | ― |
| 平成27年度(2015年度) | 0社 | ― |
| 平成28年度(2016年度) | 2社 | ― |
| 平成29年度(2017年度) | 0社 | ― |
| 平成30年度(2018年度) | 0社 | ― |
| 令和元年度(2019年度) | 0社 | ― |
| 令和2年度(2020年度) | 1社 | ― |
| 令和3年度(2021年度) | 6社 | ― |
| 令和4年度(2022年度) | 5社 | 3社 |
| 令和5年度(2023年度) | 1社 | 1社 |
| 令和6年度(2024年度) | 0社 | ― |
平成31年(2019年)1月18日の厚生労働省の資料は、平成19年度(2007年度)を2社と数え、平成18年度(2006年度)を挙げていません。表は、新しい資料である厚生労働省『令和7年 障害者雇用状況の集計結果』の数え方です。
| 社名 | 公表日 | 区分 | 本社 | 業種 | 実雇用率(時点) | 不足数 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 株式会社ベリテ | 令和6年(2024年)3月27日 | 再公表 | 神奈川県横浜市 | 宝飾品小売業 | 1.32%(令和6年(2024年)1月1日現在) | 4.0人 |
| 株式会社タウンハウジング | 令和5年(2023年)3月29日 | 再公表 | 東京都千代田区 | 不動産賃貸業 | 0.77%(令和5年(2023年)1月1日現在) | 15.0人 |
| シーレックス株式会社 | 令和5年(2023年)3月29日 | 再公表 | 東京都千代田区 | ビルメンテナンス業 | 0.42%(令和5年(2023年)1月1日現在) | 8.0人 |
| 株式会社サンポークリエイト | 令和5年(2023年)3月29日 | 再公表 | 広島県広島市 | アクセサリー・雑貨小売業 | 0.86%(令和4年(2022年)12月1日現在) | 5.0人 |
| ボードライダーズジャパン株式会社 | 令和5年(2023年)3月29日 | 初めての公表 | 東京都渋谷区 | 織物・衣服・身の回り品小売業 | 0.47%(令和5年(2023年)1月1日現在) | 7.0人 |
| 株式会社ベリテ | 令和5年(2023年)3月29日 | 初めての公表 | 神奈川県横浜市 | 宝飾品小売業 | 0.88%(令和5年(2023年)1月1日現在) | 6.0人 |
表は、いま厚生労働省のサイトで読める企業名公表の資料(令和5年(2023年)3月29日と令和6年(2024年)3月27日の発表)に載っている会社です。国の資料には、このほか代表者名、所在地の番地、指導の経過、雇用の状況の推移が載っています。
令和5年(2023年)3月29日に再公表された3社は、令和3年(2021年)12月24日に公表された会社です。令和6年(2024年)3月27日の発表では、前の年に公表した5社のうち、改善が見られなかった1社を再公表しました。
出典: 障害者雇用状況の集計結果(出典6)、障害者雇用分科会の資料(出典5)、企業名公表の資料(出典9・10)。
07よくある質問
よく聞かれることは?
罰金の有無、納付金と雇う義務、公表の段階、未達成企業の一覧、作成命令の対象、国や自治体の扱いに答えます。
Q法定雇用率を下回ると、罰金はある?
法定雇用率を満たさないこと自体の罰則は、障害者雇用促進法に定められていません。30万円以下の罰金がかかるのは、障害者雇用状況の報告をしない、うその報告をする、雇入れ計画の作成命令に従わず計画を作らない、といったときです。行為をした人のほか、会社にも罰金がかかります。
Q納付金を納めれば、障害のある人を雇わなくてもいい?
いいえ。国の資料は、納付金を納めても雇用義務は免除されないと書いています。納付金を納めていても、実雇用率が低ければ、ハローワークの作成命令などの指導の対象になります。
Qどの段階で、会社の名前が公表される?
作成命令、勧告、特別指導(9か月間)を経ても、特別指導の期間が終わった後の1月1日現在の実雇用率が全国平均に届かないときなどです。法律では、雇入れ計画についての勧告に従わないときに、厚生労働大臣が公表できると定めています。初めての公表は、すぐに改善が見込めるときや、期限までに特例子会社を作るときは猶予されることがあります。 行政指導の流れ
Q法定雇用率の未達成企業の一覧はある?
国の資料にはありません。法定雇用率を満たしていない会社は65,033社ありますが(令和7年(2025年)6月1日現在)、国が社名を出すのは、企業名公表の対象になった会社だけです。 企業名公表の一覧
Q不足が少ない会社にも、作成命令は来る?
国の運用の基準では、不足数が5人以上(実雇用率が全国平均に届かない場合)か10人以上の会社が、作成命令の対象です。法定雇用障害者数が3人または4人の会社は、障害のある人を雇っていなければ、不足が少なくても対象になります。
Q国や自治体が法定雇用率を満たさないときは?
国と地方公共団体の機関は、障害のある職員の任免状況を毎年、厚生労働大臣に通報し、公表します。採用の計画の実施が不十分な機関には、厚生労働大臣が適正な実施を勧告する仕組みがあります。
職場の合理的配慮の例(働く人向け) 障害者雇用促進法のあらまし
出典: 障害者雇用促進法(出典1・2)、障害者雇用分科会の資料(出典3・5)、障害者雇用状況の集計結果(出典6)、愛知労働局の集計結果(出典8)、企業名公表の資料(出典9)、都道府県等の機関への勧告(出典12)。
会社が相談できる公的な窓口
自社が指導の対象になるか、納付金の申告をどうするかは、次の窓口で確かめられます。
- ハローワーク(事業主の窓口)障害者雇用状況の報告、雇入れ計画、雇用率の達成に向けた助言、求人
- 都道府県労働局(職業安定部)雇用率の達成指導
- 高齢・障害・求職者雇用支援機構の都道府県支部障害者雇用納付金の申告と納付
- 地域障害者職業センター雇い入れと職場定着の支援、事業主への助言
08出典と確認日
このページの出典と確認日
厚生労働省と労働局の資料、法令、労働政策審議会の資料から書いています。
| 番号 | 出典 | 確認日 | 使った節 |
|---|---|---|---|
| 1 | e-Gov 法令検索『障害者の雇用の促進等に関する法律 第40条・第58条〜第60条・第86条・第87条』 | 2026年10月30日 | 冒頭、02、03、07 |
| 2 | e-Gov 法令検索『障害者の雇用の促進等に関する法律 第43条・第46条・第47条・第78条・第79条・第81条』 | 2026年10月30日 | 01、04、07 |
| 3 | 厚生労働省『第80回 労働政策審議会 障害者雇用分科会 資料』 | 2026年10月30日 | 02、07 |
| 4 | 厚生労働省・都道府県労働局・ハローワーク『障害者雇用のご案内 ~共に働くを当たり前に~ 事業主の方へ』 | 2026年10月21日 | 01、03 |
| 5 | 厚生労働省 職業安定局『障害者雇用の促進について 関係資料(労働政策審議会 障害者雇用分科会 第82回 参考資料2)』 | 2026年10月30日 | 03、04、06、07 |
| 6 | 厚生労働省『令和7年 障害者雇用状況の集計結果』 | 2026年10月22日 | 冒頭、01、04、05、06、07 |
| 7 | 厚生労働省『令和6年 障害者雇用状況の集計結果』 | 2026年10月30日 | 05 |
| 8 | 愛知労働局『令和7年 障害者雇用状況の集計結果(愛知県)』 | 2026年10月30日 | 04、07 |
| 9 | 厚生労働省『障害者の雇用の促進等に関する法律に基づく企業名公表について(~障害者の雇用状況に改善が見られない1社を再公表します~)』 | 2026年10月30日 | 04、06、07 |
| 10 | 厚生労働省『障害者の雇用の促進等に関する法律に基づく企業名公表について(~障害者の雇用状況に改善が見られない5社(うち再公表3社)を公表します~)』 | 2026年10月30日 | 06 |
| 11 | e-Gov 法令検索『障害者の雇用の促進等に関する法律施行規則 第6条・第7条・第8条・第38条・第40条・附則(令和5年厚生労働省令第16号)第2条』 | 2026年10月30日 | 04 |
| 12 | 厚生労働省『令和7年度 障害者の雇用の促進等に関する法律に基づく都道府県等の機関への適正実施勧告の実施について』 | 2026年10月30日 | 07 |
更新履歴 2026.10.31 公開しました。指導の件数や企業名の公表が新しく出たら、確かめ直して直します。記載の誤りは訂正窓口へお知らせください。