02時間とお金

障害のある人が学校を出てすぐ就職する割合は、どれくらい?

特別支援学校の高等部を出た人のうち、学校を出てすぐ就職した人は18.9%です(全国・令和7年(2025年)3月卒業。文部科学省の学校基本調査)。

この割合は、障害のある人が学校を出てすぐ就職した割合で、障害者雇用で就職した人の割合ではありません。このページで使う資料は、どれも就職先が障害者雇用(障害のある人を対象にした求人や、会社の障害者雇用率に数える雇用)かどうかを分けていないからです。大学・短大・高専を出た障害のある学生の割合と、雇われている人の年齢、正社員の割合、給料、勤続年数も、国の統計で確かめられる範囲で並べます。

更新日 2026.10.27 データの時点 特別支援学校 令和7年(2025年)3月卒業、大学・短大・高専 令和6年度(2024年度)卒業(令和7年3月31日まで)・進路は令和7年5月1日まで、障害者雇用実態調査 令和5年度(2023年度)
編集・監修 徳永崇志(株式会社イチドキリ 代表取締役。就労継続支援B型事業所 ぽちぽちの道を運営)

表1 新卒の就職について、国の統計で言えること・言えないこと
問い国の統計で言えること国の統計で分からないこと
学校を出てすぐ就職する人は?特別支援学校の高等部を出た人では18.9%。大学・短大・高専を出た障害のある学生では57.5%(編集部が計算)就職先が障害者雇用かどうか
雇われている人の年齢は?知的障害と発達障害のある人は、いちばん多い年齢の層が20〜24歳新卒で採用された人の数
正社員になれる?雇われている人全体の正社員の割合(20.3%から59.3%)新卒で入った人に限った割合
給料は?障害の種類と週の時間ごとの平均賃金新卒の初任給と、年齢ごとの賃金
会社は学校を通して採っている?募集・採用のときに学校と連携している事業所の割合(障害の種類ごと)学校を通して採用された人の数
長く働けている?平均の勤続年数(5年1か月から12年2か月)新卒で入った人が辞めた割合

出典: 学校基本調査(出典1)、日本学生支援機構の調査(出典2)、実態調査(出典3・4・8)。

01学校を出てすぐの就職

学校を出てすぐ就職する人は、どれくらい?

特別支援学校の高等部を出た人では18.9%、大学・短大・高専を出た障害のある学生では57.5%(編集部が計算)が、学校を出てすぐに就職しました。

表2 特別支援学校の高等部(本科)を出た人と、就職した人(障害の種類別・全国・令和7年(2025年)3月卒業)
障害の種類卒業した人就職した人割合
視覚障害201人26人12.9%
聴覚障害332人112人33.7%
知的障害18,696人3,755人20.1%
肢体不自由1,472人50人3.4%
病弱・身体虚弱300人35人11.7%
計21,001人3,978人18.9%

就職した人は、自営で働く人、期間の定めのない雇用で働く人、契約期間が1年以上でフルタイムに近い有期雇用で働く人の合計で、進学しながら就職した人も含みます。障害の種類は、生徒の主な障害で分けています。卒業した人の多くは知的障害のある人なので、計の割合は知的障害の割合に近くなります。

契約期間やフルタイムかどうかの条件に当たらない有期雇用、臨時の仕事も含める広い数え方では29.8%になり(編集部が計算)、このページは大学などと数え方がそろう狭いほうの数え方を使っています。

表3 大学・短大・高専を出た障害のある学生と、就職した人(障害の種類別・全国・令和6年度(2024年度)卒業(令和7年3月31日まで)・進路は令和7年5月1日まで)
障害の種類卒業した人就職した人割合(編集部が計算)
視覚障害211人122人57.8%
聴覚障害450人331人73.6%
肢体不自由294人178人60.5%
病弱1,690人1,138人67.3%
発達障害2,160人1,091人50.5%
精神障害3,485人1,911人54.8%
重複障害500人237人47.4%
その他の障害776人500人64.4%
計9,633人5,542人57.5%

割合は、就職した人を卒業した人で割って編集部が計算しました。就職した人の数え方は、特別支援学校とほぼ同じです(進学しながら就職した人は、大学などでは就職に入りません)。知的障害のある学生は、卒業した人が67人と少ないので表に入れていませんが、計には入っています。日本学生支援機構の調査の「障害のある学生」には、医師の診断や健康診断などで障害が分かる学生も含まれます。大学院と通信課程の学生は入っていません。

同じ調査が「就職率」として出している82.1%は、就職を希望した人6,751人に対する割合で、卒業した人全体に対する割合ではありません。

就職しなかった人の進路は、このページでは割合を出していません。特別支援学校を出たあとの進路は、同じ株式会社イチドキリが運営する就労継続支援B型事業所のサイトのコラムにまとめています。

支援学校・特別支援学校からB型への進路(ぽちぽちの道のコラム)

別のサイトが開きます。運営は同じ株式会社イチドキリです。

出典: 学校基本調査(出典1)、日本学生支援機構の調査(出典2)。

02年齢

障害者雇用で働く人の年齢は?

雇われている知的障害のある人と発達障害のある人は、いちばん多い年齢の層が20〜24歳です。

表4 雇われている人で、いちばん多い年齢の層(障害の種類別・全国・令和5年度(2023年度))
障害の種類いちばん多い年齢の層その層の割合
身体障害65歳以上17.4%
知的障害20〜24歳25.0%
精神障害50〜54歳15.7%
発達障害20〜24歳23.1%

雇われている人全体の年齢で、新卒で入った人の数ではありません。新卒で採用された人の数と割合は、国の障害者雇用実態調査には項目がなく、ほかの国の統計にも見当たりませんでした。

障害の種類でみる障害者雇用の仕事

出典: 実態調査(出典3)。

03正社員

障害者雇用で、正社員になれる?

雇われている人のうち正社員の人は、障害の種類によって20.3%から59.3%です。新卒で入った人に限った割合は、国の統計に見当たりませんでした。

表5 障害者雇用で働く人のうち、正社員の割合(障害の種類別・全国・令和5年度(2023年度))
障害の種類正社員の割合
身体障害59.3%
知的障害20.3%
精神障害32.7%
発達障害36.6%
参考:働く人全体の正規の割合(2023年平均)63.0%

年齢や勤続年数を問わず、雇われている人全体で数えた割合です。正社員の割合は、無期契約と有期契約の正社員を足した値です。働く人全体の値は総務省の労働力調査の、役員を除く雇用者のうち正規の職員・従業員の割合で、事業所に聞いた実態調査とは調べ方が違います。

障害者雇用の正社員・契約社員・パート

出典: 実態調査(出典4)、労働力調査(出典5)。

04給料

障害者雇用の給料は、月いくら?

新卒の初任給は、国の統計に見当たりませんでした。障害の種類と週の時間ごとの平均賃金はあり、勤続の長い人も含めた平均です。

表6 障害者雇用で働く人の月の平均賃金(障害の種類別・週の時間別・全国・令和5年度(2023年度))
障害の種類週20時間以上30時間未満週30時間以上
身体障害16.2万円26.8万円
知的障害11.1万円15.7万円
精神障害12.1万円19.3万円
発達障害10.7万円15.5万円

平均賃金は令和5年(2023年)5月分の値で、残業代を含み、ボーナスを含みません。長く勤めている人も含めた平均で、働きはじめの額や初任給ではありません。年齢ごとの賃金も、国の障害者雇用実態調査には項目がなく、ほかの国の統計にも見当たりませんでした。

雇用契約で働くなら、障害者雇用でも最低賃金が当てはまります(下回る額にできるのは、都道府県労働局長の許可がある場合だけです)。令和8年度(2026年度)の最低賃金の全国加重平均で計算すると、週20時間で月およそ10万2千円、週30時間で月およそ15万3千円です。最低賃金の額と発効日は、都道府県ごとに違います。

給料と月額の計算例 週の時間の段

出典: 実態調査(出典3)、最低賃金(出典6)、月額の計算(出典7)。

05会社の入口

会社は、学校を通して障害のある人を採っている?

知的障害のある人を募集・採用するときに学校と連携している事業所は、連携先がある事業所のうち39.3%です(全国)。

表7 障害のある人を募集・採用するときに、学校と連携している事業所の割合(障害の種類別・全国・令和5年(2023年)6月1日現在)
募集・採用する人の障害の種類割合
身体障害21.5%
知的障害39.3%
精神障害18.5%
発達障害27.4%

連携している機関があると答えた事業所のうち、連携先に学校(各種学校を含む)を挙げた事業所の割合です。いくつも答えてよい問いです。学校を通して採用した人の数や、新卒で採用した人の数ではありません。

このサイトの大企業のページでは、会社の採用ページに書いてある新卒の採用のことを、会社ごとにまとめています。たとえば次の会社です。

  • パナソニック:障害者向けの特別な採用枠はなく、ほかの人と同じ新卒採用・キャリア採用で選考すると書いています。
  • ソフトバンク:障害者採用は新卒と中途があり、仕事の範囲・内容と人事制度は障害のない社員と同じだと書いています。

大企業の障害者雇用

出典: 実態調査(出典8)。会社のことは、各社の採用ページ(会社ごとのページに出典を載せています)。

06勤続

障害者雇用で、長く働けている?

平均の勤続年数は、障害の種類によって5年1か月から12年2か月です。新卒で入った人が辞めた割合は、国の統計に見当たりませんでした。

表8 障害者雇用で働く人の平均の勤続年数(障害の種類別・全国・令和5年度(2023年度))
障害の種類平均の勤続年数
身体障害12年2か月
知的障害9年1か月
精神障害5年3か月
発達障害5年1か月

勤続年数は、いま働いている人が、その会社で働いてきた年数の平均です。国の資料は、勤続年数の違いの理由を書いていません。雇われている発達障害のある人は、いちばん多い年齢の層が20〜24歳です(表4)。

障害者雇用のデメリットと言われる点を数字で確かめる

出典: 実態調査(出典3)。

07よくある質問

よく聞かれることは?

新卒で障害者雇用に就いた人の数、初任給、正社員、大学の就職率の読み方に答えます。

Q新卒で障害者雇用に就いた人の数は、分かる?

国の統計には見当たりませんでした。分かるのは、障害のある人が学校を出てすぐ就職した割合で、特別支援学校の高等部では18.9%、大学・短大・高専では57.5%です(大学などは編集部が計算)。どちらの資料も、就職先が障害者雇用かどうかは分けていません。

Q障害者雇用の新卒の初任給は、月いくら?

新卒の初任給は、国の統計に見当たりませんでした。障害の種類ごとの平均賃金はありますが、勤続の長い人も含めた平均で、初任給ではありません。給料は求人ごとに違うので、求人票で月給と週の時間を確かめます。 給料と月額の計算例

Q新卒で障害者雇用に就くと、正社員になれる?

新卒で入った人に限った正社員の割合は、国の統計に見当たりませんでした。雇われている人全体では、障害の種類によって20.3%から59.3%が正社員です(全国)。 障害者雇用の正社員・契約社員・パート

Q大学の障害のある学生の就職率と、このページの割合は何が違う?

日本学生支援機構の調査の就職率82.1%は、就職を希望した人6,751人に対する割合です。このページは、卒業した人9,633人に対する割合57.5%を使っています(編集部が計算)。

出典: 学校基本調査(出典1)、日本学生支援機構の調査(出典2)、実態調査(出典4)。

08出典と確認日

このページの出典と確認日

文部科学省と日本学生支援機構の調査、厚生労働省の障害者雇用実態調査、最低賃金から書いています。

更新履歴 2026.10.27 公開しました。国の調査や統計が新しくなったら、確かめ直して直します。記載の誤りは訂正窓口へお知らせください。

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