02時間とお金
障害者雇用で、正社員はどれくらい?
障害者雇用で働く人のうち正社員は、障害の種類で20.3%から59.3%です。どの種類も、雇われて働く人全体の63.0%より低く、身体障害は差が小さく、知的障害・精神障害・発達障害は差が大きくなっています(調べ方がちがうので目安です)。
正社員でない人の中にも、期間の定めのない契約(無期の契約)で働く人がいます。会社の採用ページに書かれた雇用形態と正社員への登用、契約社員の更新の決まりもあわせて見ます。
更新日 2026.10.27 データの時点 障害者雇用実態調査 令和5年度(2023年度)、労働力調査 2023年平均、採用ページ調査 2026年10月17日・20日確認
編集・監修 徳永崇志(株式会社イチドキリ 代表取締役。就労継続支援B型事業所 ぽちぽちの道を運営)
01正社員の割合
障害者雇用で働く人のうち、正社員はどれくらい?
障害の種類でちがい、身体障害がいちばん高く59.3%です。
ここでの正社員は、勤め先で正社員や正職員などと呼ばれている人です。雇われて働く人全体の割合は、役員を除く雇用者のうち、正規の職員・従業員の人が、正規と非正規を合わせた人に占める割合です。
障害のある人の割合は、従業員5人以上(常用労働者)の民営の事業所に聞いた調査から出した値です。雇われて働く人全体の割合は、世帯に聞いた調査の年平均から出した値で、公務員や小さな事業所で働く人、障害のある人も入ります。調べ方と範囲がちがうので、くらべるときは目安として見てください。
出典: 実態調査(出典1・2)、労働力調査(出典3)。
02正社員以外の契約
正社員でない人は、どんな契約で働いている?
知的障害のある人では、全体の38.9%が、正社員以外で無期の契約です。
国の調査(実態調査)の報告書では、正社員かどうかと、契約の期間の定めがあるか(有期)ないか(無期)で、雇用形態を4つに分けています(ほかに無回答)。「正社員以外」は、パートタイマー、契約・登録社員、嘱託、派遣労働者などです。
| 障害の種類 | 無期契約の正社員 | 有期契約の正社員 | 無期契約の正社員以外 | 有期契約の正社員以外 | 無回答 |
|---|---|---|---|---|---|
| 身体障害 | 53.2% | 6.1% | 15.6% | 24.6% | 0.5% |
| 知的障害 | 17.3% | 3.0% | 38.9% | 40.7% | 0.1% |
| 精神障害 | 29.5% | 3.2% | 22.8% | 40.6% | 3.9% |
| 発達障害 | 35.3% | 1.3% | 23.8% | 37.2% | 2.4% |
無期の契約は、契約の期間が決まっていない契約で、期間ごとの更新はありません(定年や退職はあります)。ただし、正社員と同じ働き方とは限らず、給料や仕事の範囲は会社ごとの決まりによります。
図1の正社員の割合は、この表の無期契約の正社員と有期契約の正社員を合わせた値です。
出典: 実態調査(出典2)の各章の雇用形態の本文。
03採用ページの雇用の形
会社は、採用ページにどの雇用の形を書いている?
雇用の形を書く会社のおよそ7割(48社)が契約社員を挙げています。正社員を挙げる会社はおよそ3割(21社)です。
ここでの「雇用の形」は、採用ページに書かれた正社員・契約社員・パートなどの雇用形態です。調べたのは、東京都と埼玉県の特例子会社と、もにす認定の会社です。採用ページを確かめた246社(うち特例子会社211社)のうち、雇用の形を書いていた会社はおよそ3割(69社)でした。職種ごとに分けても、契約社員を挙げる会社がいちばん多くなっています。
| 会社 | 確かめた会社 | 雇用の形を書いている | 契約社員 | 正社員 | パート・アルバイト |
|---|---|---|---|---|---|
| 確かめた会社全体 | 246社 | 69社 | 48社 | 21社 | 11社 |
| 特例子会社だけ | 211社 | 66社 | 48社 | 19社 | 10社 |
| 事務補助・データ入力 | 151社 | 61社 | 45社 | 17社 | 9社 |
| 印刷・スキャン | 107社 | 41社 | 32社 | 13社 | 7社 |
| 清掃・ビルメンテナンス | 102社 | 35社 | 26社 | 9社 | 5社 |
| 軽作業・発送・仕分け | 85社 | 33社 | 24社 | 10社 | 5社 |
| IT・Web | 50社 | 22社 | 19社 | 5社 | 4社 |
| 食品・調理補助 | 39社 | 14社 | 11社 | 5社 | 3社 |
1社がいくつもの形を書いているので、足すと母数をこえます。1社がいくつもの職種を紹介しているので、職種の行も重なっています。採用ページに書いていない会社が多いので、雇用の形は求人票の「雇用形態」の欄で確かめます。
出典: 採用ページ調査(出典4)。
04正社員への登用
契約社員から、正社員になる道はある?
正社員への登用を採用ページに書いている会社は、確かめた会社のおよそ2割(42社)です。
登用を書いている42社のうち、41社は特例子会社でした。ただし、確かめた246社のうち211社が特例子会社なので、特例子会社が多くなるのは調べた会社の顔ぶれのためでもあります。特例子会社は、障害のある人を雇うためにつくられた子会社です。
登用の制度があっても、正社員になれると決まっているわけではありません。登用の条件と、これまでに登用された人がいるかは、求人票や会社への問い合わせで確かめます。
出典: 採用ページ調査(出典4)。
05更新と無期転換
契約社員の更新と無期転換は、どう決まっている?
有期の契約が、同じ会社で通算5年を超えると、申し込んで期間の定めのない契約に変えられます。
これを無期転換といい、労働契約法が定めています。本人が、いまの契約が終わる日までに申し込んだときに成り立ち、無期の契約は、いまの契約が終わった次の日から始まります。自動では変わりません。契約のあいだに空白の期間があると、前の契約の期間が通算に入らない場合があります。無期転換したあとの労働条件は、別の決まりがなければ、契約の期間のほかはそれまでの契約と同じです。
2024年4月から、会社が示す(明示する)事項に加わったこと
- 有期の契約を結ぶときと更新のたびに、更新の上限(通算の契約期間か更新の回数の上限)があるかどうかと、その内容
- 無期転換を申し込めるようになる更新のとき(その後の更新のたびにも)に、申し込めること
- 同じときに、無期転換したあとの労働条件
- すべての契約を結ぶときと有期の契約の更新のときに、働く場所と仕事が、この先どこまで変わりうるか
最初の契約より後に更新の上限を新しく設けたり、短くしたりするときは、会社はその理由を前もって説明しなければなりません。契約社員として働くときは、労働条件通知書で、契約の期間と更新の上限を確かめます。
出典: 労働契約法(出典5)、厚生労働省『リーフレット「2024年4月から労働条件明示のルールが変わりました」』(出典6)。
06よくある質問
よく聞かれることは?
正社員になれるか、正社員になる道、契約社員の更新、無期転換、パートで働く場合に答えます。
Q障害者雇用だと、正社員になれない?
正社員で働く人もいます。国の調査では、障害者雇用で働く人のうち正社員は、障害の種類で20.3%から59.3%です(令和5年度(2023年度))。どの種類も、雇われて働く人全体の63.0%(2023年平均)より低くなっています。調べ方がちがうので、目安として見てください。
Q障害者雇用で、正社員になるには?
はじめから正社員の求人に応募する道と、契約社員などで入ってから正社員への登用を受ける道があります。会社の採用ページでは、雇用の形を書いている69社のうち21社が正社員を挙げ、確かめた246社のうち42社が正社員への登用を書いていました。登用の制度があっても、正社員になれると決まっているわけではありません。登用の条件と、これまでに登用された人がいるかは、求人票や会社への問い合わせで確かめます。 契約社員から正社員への登用
Q契約社員は、毎年更新される?
契約によります。契約の期間や、更新するかどうかは会社ごとにちがいます。会社は、有期の契約を結ぶときと更新のたびに、更新の上限があるかどうかと、その内容を示すことになっています(2024年4月から)。労働条件通知書で、契約の期間と更新の上限を確かめます。
Q契約社員を5年続けたら、正社員になれる?
正社員になるとは限りません。有期の契約が通算5年を超えると、申し込んで無期の契約に変えられます。無期転換したあとの労働条件は、別の決まりがなければ、契約の期間のほかはそれまでと同じで、正社員になることとは別です。
Qパートでも、法定雇用率の計算に数えられる?
数えられることがあります。数えるかどうかは、パートや契約社員といった呼び名ではなく、週の所定労働時間などの条件で決まります。 週の時間と雇用率の数え方
出典: 実態調査(出典1)、労働力調査(出典3)、労働契約法(出典5)、厚生労働省『リーフレット「2024年4月から労働条件明示のルールが変わりました」』(出典6)、厚生労働省・都道府県労働局・ハローワーク『障害者の法定雇用率引上げと支援策の強化について』(出典7)。
07出典と確認日
このページの出典と確認日
国の調査と法令、会社の採用ページの調査から書いています。
| 番号 | 出典 | 確認日 | 使った節 |
|---|---|---|---|
| 1 | 厚生労働省『令和5年度障害者雇用実態調査の結果を公表します(報道発表)』 | 2026年10月21日 | 冒頭、01、06 |
| 2 | 厚生労働省『令和5年度 障害者雇用実態調査』 | 2026年10月21日 | 冒頭、01、02 |
| 3 | 総務省統計局『労働力調査(基本集計)2025年(令和7年)平均結果の概要』 | 2026年10月27日 | 冒頭、01、06 |
| 4 | 株式会社イチドキリ編集部『障害者雇用 採用ページ調査2026(埼玉・東京270社)』 | 2026年10月17日・20日確認 | 03、04 |
| 5 | 『労働契約法 第18条』 | 2026年10月21日 | 05、06 |
| 6 | 厚生労働省『リーフレット「2024年4月から労働条件明示のルールが変わりました」』 | 2026年10月27日 | 05、06 |
| 7 | 厚生労働省・都道府県労働局・ハローワーク『障害者の法定雇用率引上げと支援策の強化について』 | 2026年10月21日 | 06 |
更新履歴 2026.10.27 公開しました。国の調査や法令が新しくなったら、確かめ直して直します。記載の誤りは訂正窓口へお知らせください。