02時間とお金

障害者雇用のデメリットと言われる点。数字で確かめると?

言われる点のうち、ハローワークを通じて就職した仕事の種類、正社員の割合、勤続年数は、国の統計で確かめられます。障害者雇用と一般の働く人を同じ条件でくらべた給料の値は、国の統計には見当たりませんでした。

このサイトは、障害者雇用と一般雇用のどちらがいいかを決めていません。評判や口コミも載せていません。言われる点ごとに、数字で言えることと、言えないことを分けて書きます。

更新日 2026.10.27 データの時点 障害者の職業紹介状況 令和7年度(2025年度)、障害者雇用実態調査 令和5年度(2023年度)、採用ページ調査 2026年10月17日・20日確認
編集・監修 徳永崇志(株式会社イチドキリ 代表取締役。就労継続支援B型事業所 ぽちぽちの道を運営)

表1 言われる点と、数字で言えること・言えないこと
言われる点数字で言えることこのページの数字で分からないこと
仕事の種類が少ないハローワークを通じた就職の職業別の割合。いちばん多いのは運搬・清掃・包装等で29.5%、次が事務で25.9%障害者雇用の求人の数と、一般の求人とのくらべ
給料が低い障害の種類ごとの平均賃金と、最低賃金で働いた場合の月額一般の働く人と同じ条件でくらべた給料
正社員になれない障害の種類ごとの正社員の割合(20.3%から59.3%)と、働く人全体の正規の割合63.0%正社員に登用された人の数
長く働けない障害の種類ごとの平均の勤続年数辞めた人の割合、一般の働く人とのくらべ
配慮が受けられない雇用上の配慮をしていると答えた事業所の割合(障害の種類ごと)。配慮を具体的に採用ページに書く会社はおよそ7割(161社)一人ひとりが受けている配慮の中身

出典: 障害者の職業紹介状況(出典1)、実態調査(出典2・3)、労働力調査(出典4)、採用ページ調査(出典7)。採用ページ調査の母数は、東京都と埼玉県で採用ページを確かめた246社です。

メリットと言われる点も、同じ国の調査で確かめられます。

  • 配慮を受けられる:雇用上の配慮をしていると答えた事業所の割合は、障害の種類によって38.0%から63.3%です。
  • 短い時間から働ける:週20時間以上30時間未満で働く人の割合は、障害の種類によって15.6%から30.0%です。
  • 長く働ける:平均の勤続年数は、障害の種類によって5年1か月から12年2か月です。

同じ数字が、メリットとしてもデメリットとしても言われます。どちらが大きいかは、このサイトでは決めていません。出典: 実態調査(出典2)。

01仕事の種類

障害者雇用は、仕事の種類が少ない?

ハローワークを通じた障害のある人の就職では、運搬・清掃・包装等が29.5%、事務が25.9%で、この2つで半分をこえます(全国・令和7年度(2025年度))。

表2 ハローワークを通じた障害のある人の就職の、職業別の割合(全国・令和7年度(2025年度)。就職115,178件のうち)
職業(国の職業分類)割合
運搬・清掃・包装等29.5%
事務25.9%
サービス14.4%
生産工程10.7%
専門的・技術的職業7.3%
販売3.9%
輸送・機械運転3.0%
農林漁業2.6%

管理的職業(0.1%)、保安職業(1.4%)、建設・採掘(1.1%)などは、表に載せていません。ハローワークを通じた就職だけの数で、障害者雇用の求人の数ではありません。障害のない人も含めた就職の職業別とは、くらべていません。

東京都と埼玉県の会社が採用ページで紹介している仕事を、このサイトの6つの職種に分けると、事務補助・データ入力を紹介する会社がいちばん多く、確かめた246社のうちおよそ6割(151社)でした。

1社がいくつもの仕事を紹介しているので、足すと母数をこえます。この6つに当たらない仕事を紹介する会社もあります。

仕事ごとの中身と1日の流れ 障害の種類でみる障害者雇用の仕事

出典: 障害者の職業紹介状況(出典1)、採用ページ調査(出典7)。

02給料

障害者雇用は、給料が低い?

障害者雇用と一般の働く人を、同じ条件でくらべた国の値は見当たりませんでした。障害の種類ごとの平均賃金はあり、週の時間が短い人も含む値です。

表3 障害者雇用で働く人の平均賃金(障害の種類別・全国・令和5年度(2023年度))
障害の種類月の平均賃金
身体障害23.5万円
知的障害13.7万円
精神障害14.9万円
発達障害13.0万円

平均賃金は令和5年(2023年)5月分の値で、残業代を含み、ボーナスを含みません。週の時間が短い人や、長く勤めている人も含めた平均で、働きはじめの額ではありません。働く時間の長さがそろっていないので、一般の働く人の平均賃金とはくらべていません。

雇用契約で働くなら、障害者雇用でも最低賃金が当てはまります(下回る額にできるのは、都道府県労働局長の許可がある場合だけです)。令和8年度(2026年度)の最低賃金の全国加重平均で計算すると、週20時間で月およそ10万2千円、週30時間で月およそ15万3千円です。最低賃金の額と発効日は、都道府県ごとにちがいます。

給料と月額の計算例 週の時間の段

出典: 実態調査(出典2)、最低賃金(出典5)、月額の計算(出典6)。

03正社員

障害者雇用では、正社員になれない?

正社員として働く人は、障害の種類によって20.3%から59.3%です。働く人全体の正規の割合63.0%より、どの種類も低くなっています。

表4 障害者雇用で働く人のうち、正社員の割合(障害の種類別・全国・令和5年度(2023年度))
障害の種類正社員の割合
身体障害59.3%
知的障害20.3%
精神障害32.7%
発達障害36.6%
参考:働く人全体の正規の割合(2023年平均)63.0%

正社員の割合は、無期契約と有期契約の正社員を足した値です。働く人全体の値は総務省の労働力調査の、役員を除く雇用者のうち正規の職員・従業員の割合で、年をそろえて2023年平均の値を使いました。事業所に聞いた実態調査とは、調べ方がちがいます。

東京都と埼玉県の会社のうち、正社員への登用を採用ページに書いている会社は、確かめた246社のうちおよそ2割(42社)でした。登用の制度があっても、正社員になれると決まっているわけではありません。

障害者雇用の正社員・契約社員・パート

出典: 実態調査(出典3)、労働力調査(出典4)、採用ページ調査(出典7)。

04勤続

障害者雇用では、長く働けない?

平均の勤続年数は、障害の種類によって5年1か月から12年2か月です。辞めた人の割合は、このページの統計には入っていません。

表5 障害者雇用で働く人の平均の勤続年数(障害の種類別・全国・令和5年度(2023年度))
障害の種類平均の勤続年数
身体障害12年2か月
知的障害9年1か月
精神障害5年3か月
発達障害5年1か月

勤続年数は、いま働いている人が、その会社で働いてきた年数の平均です。採用のあとに障害が分かった人は、会社がそれを知った時から数えます。一般の働く人の勤続年数とは、数え方がそろわないのでくらべていません。

障害の種類でみる障害者雇用の仕事

出典: 実態調査(出典2)。

05配慮

障害者雇用でも、配慮は受けられない?

その種類の障害のある人を雇っている事業所のうち、雇用上の配慮をしていると答えた割合は、障害の種類によって38.0%から63.3%です。

表6 雇用上の配慮をしていると答えた事業所の割合(障害の種類別・全国・令和5年度(2023年度))
障害の種類割合
身体障害58.7%
知的障害61.0%
精神障害63.3%
発達障害38.0%

事業所が答えた割合で、一人ひとりが受けている配慮の割合ではありません。調査は配慮の有無を事業所に聞いたもので、配慮の中身や程度は分かりません。

東京都と埼玉県の会社のうち、配慮やサポートを具体的に採用ページに書いている会社は、確かめた246社のうちおよそ7割(161社)でした。受けられる配慮は人によって違うので、面接や実習で相談して決めます。

合理的配慮の例(職場)

出典: 実態調査(出典2)、採用ページ調査(出典7)。

06手帳

障害者雇用で働くには、手帳が要る?

会社が障害者雇用率に数えられるのは、原則として、障害者手帳(知的障害は判定機関の判定書でも)で障害が確かめられる人です。手帳を持たない人の働き方は、制度を説明した別のページにまとめています。

手帳をとるか、障害を会社に伝えるかは、制度と本人の状況によって変わるので、このサイトでは決めていません。同じ株式会社イチドキリが運営する、就労継続支援B型事業所のサイトのコラムにまとめています。

障害者手帳がなくても障害者雇用で働ける?(ぽちぽちの道のコラム)

別のサイトが開きます。運営は同じ株式会社イチドキリです。

07よくある質問

よく聞かれることは?

一般雇用とのくらべ方、給料、正社員、勤続、狭き門か、社内ニートになるか、転職は難しいか、クビ(解雇)になるか、「やめとけ」は本当かに答えます。

Q障害者雇用と一般雇用は、どちらがいい?

このサイトは、どちらがいいかを決めていません。障害を伝えて受けたい配慮と、したい仕事の中身をくらべて考えます。実習で職場を試してから応募する道もあります。 実習・トライアル雇用で試す

Q障害者雇用の給料は、一般の人より低い?

同じ条件でくらべた国の値は、見当たりませんでした。障害の種類ごとの平均賃金はありますが、週の時間が短い人も含む値です。給料は求人ごとにちがうので、求人票で時給や月給と週の時間を確かめます。 給料と月額の計算例

Q障害者雇用で、正社員になれる?

正社員として働く人は、障害の種類によって20.3%から59.3%です(全国)。正社員への登用を採用ページに書いている会社もあります。 障害者雇用の正社員・契約社員・パート

Q障害者雇用で、長く働ける?

平均の勤続年数は、障害の種類によって5年1か月から12年2か月です(全国)。いま働いている人の勤続の平均で、辞めた人の割合ではありません。 障害の種類でみる障害者雇用の仕事

Q障害者雇用は、狭き門?

狭いかどうかを決める国の値は、見当たりませんでした。ハローワークの値はあります。障害のある人の新規求職申込件数は278,136件、就職件数は115,178件で、就職率は41.4%でした(令和7年度(2025年度))。この就職率は、その年度の就職件数を新規求職申込件数で割った値で、ひとりの人が就職できる確率ではありません。ハローワークを通さない就職は入っていません。 障害者雇用の数字(就職件数・就職率)

Q障害者雇用で、仕事を任されない「社内ニート」になる?

仕事を任されずに過ごす人の数や割合は、国の統計には見当たりませんでした。会社の側の値はあります。国の調査で、障害のある人の雇用に課題があると答えた事業所が挙げた課題は、どの障害の種類でも「会社内に適当な仕事があるか」がいちばん多く、74.2%から79.2%でした(複数回答)。会社が任せる仕事を探すことを課題にしているという値で、仕事のない人の割合ではありません。応募の前に、求人票や採用ページで仕事の中身を確かめ、実習で職場を試す道もあります。 職種の一覧(仕事の中身)

Q障害のある人の転職は、難しい?

転職のしやすさを示す国の値は、見当たりませんでした。このサイトで使っているハローワークの就職件数と就職率は、転職かどうかで分けていません。国の調査には、いま働いている人の平均の勤続年数があり、障害の種類によって5年1か月から12年2か月です。転職の相談は、ハローワークの障害者専門窓口でできます。

Q障害者雇用で、クビ(解雇)になることはある?

あります。ハローワークに届け出のあった障害者の解雇者数は、令和7年度(2025年度)に3,692人で、前の年度は9,312人でした。令和7年度(2025年度)の理由別では、事業廃止が2,158人、事業縮小が1,276人、その他が258人です。会社は、障害のある人を解雇するとき、本人の責めによる場合などを除いてハローワークに届け出ます。解雇には客観的に合理的な理由が要り、少なくとも30日前の予告か、予告手当が要ります。困ったときは、労働基準監督署や都道府県労働局で相談できます。

Q障害者枠は「やめとけ」と言われるのは、本当?

このサイトは、やめたほうがいいかどうかを決めていません。言われる点ごとに、数字で言えることと言えないことを、このページの表1に分けました。ハローワークの紹介で障害者求人に就職した人のうち、1年後も働いていた人は70.4%です(JEED・2017年公表)。 障害者雇用(障害者雇用枠)とは

出典: 障害者の職業紹介状況(出典1)、実態調査(出典2・3)、採用ページ調査(出典7)、障害者雇用促進法 第81条(出典8)、労働基準法 第20条(出典9)、労働契約法 第16条・第17条(出典10)、JEED の調査研究報告書(出典11)。

08出典と確認日

このページの出典と確認日

国の調査と統計、最低賃金、会社の採用ページの調査から書いています。

更新履歴 2026.10.27 公開しました。国の調査や統計が新しくなったら、確かめ直して直します。記載の誤りは訂正窓口へお知らせください。

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