02時間とお金

働く前に、実習やトライアル雇用で職場を試せる?

職場実習は雇われる前に、トライアル雇用は雇われて試します。配慮を具体的に書く会社のおよそ5割(80社)が、試せると書いています。

更新日 2026.10.24 データの時点 トライアル雇用の要領 令和8年(2026年)4月8日改正、法令(確認日は07の一覧)、採用ページ調査 2026年10月17日・20日確認
編集・監修 徳永崇志(株式会社イチドキリ 代表取締役。就労継続支援B型事業所 ぽちぽちの道を運営)

印刷用の資料
図1 働く前に試す道すじ(一例)
  1. 段1慣れる学校、職業訓練、就労移行支援、就労継続支援B型(B型)など、いまの場所。施設外就労もこの段に入ります。
  2. 段2試す職場実習雇われる前に試すトライアル雇用雇われて試す。短時間トライアル雇用を含む
  3. 段3応募するハローワークの障害者専門窓口で求人を探して、応募する
  4. 段4働きはじめる採用されて、続けて雇われて働く

点線は、段2を通らずに、段1から段3へ進む道(試さずに応募する道)です。もあります。

このページの数字

実習やトライアル雇用で試せると書く会社

80社

配慮を具体的に書いている161社のうち

トライアル雇用の期間

原則3か月

精神障害のある人は原則6か月以上12か月以内

短時間トライアル雇用の、はじめの週の時間

週10時間以上20時間未満

精神障害または発達障害のある人が対象。期間中に週20時間以上をめざします

出典: 採用ページ調査(出典20)、トライアル雇用の要領(出典1・2)。

数字の読み方

013つの試し方のちがい

職場実習・トライアル雇用・施設外就労は、何が違う?

違いは、試す会社に雇われるかどうか、受け取るお金、相談する先です。トライアル雇用は、雇われて給料を受け取ります。

試し方は、大きく3つあります。雇われる前に試す職場実習、雇われて試すトライアル雇用、福祉サービスを使いながら作業する施設外就労です。トライアル雇用には、短い時間から始める短時間トライアル雇用もあります。

雇われる前に試す形には、都道府県が会社に頼んで行う適応訓練もあります。表1の職場実習の列に、あわせて書いています。

どれを使うかは、いまの状況によって変わります。相談先と一緒に考えます。

表1 試し方のちがい
くらべる点職場実習トライアル雇用短時間トライアル雇用施設外就労
どんな形か会社の職場で、決まった日数と時間、作業を体験する続けて雇われることをめざして、期間を決めて、試しに雇われる短い時間で雇われ、期間中に時間を延ばすことをめざす福祉サービスの事業所が請け負った作業を、利用している人が会社の中で行う
試す会社に雇われるか雇われる前に試す形雇われる雇われる会社に雇われる形ではない。就労継続支援A型(A型)の人は、原則として、利用するA型の事業所に雇われている
受け取るお金実習先と相談先で確かめる。適応訓練では、手当が出ることがある給料(最低賃金以上)給料(最低賃金以上)利用している事業所から受け取る。A型は原則として賃金、B型は工賃
期間実習先と相談先で決める原則3か月。精神障害のある人は原則6か月以上12か月以内3か月から12か月利用している事業所と、個別支援計画で決める
週の時間実習先と決める週20時間以上はじめは週10時間以上20時間未満。期間中に週20時間以上をめざす利用している事業所と決める
対象窓口ごとに違う。適応訓練は、身体障害・知的障害・精神障害のある求職者ハローワークなどに求職を申し込み、条件に当てはまる障害のある人(02の「くわしく見る」)続けて雇われることを希望する、精神障害または発達障害のある人就労移行支援、A型、B型を利用している人
相談する先障害者就業・生活支援センター(なかぽつ)、地域障害者職業センター、利用中の就労移行支援、在学中の学校。適応訓練は、ハローワークがあっせんするハローワークまたは民間の職業紹介事業者などの紹介トライアル雇用と同じ利用している事業所。サービスの利用の手続きは、市区町村の障害福祉の窓口

出典: トライアル雇用(出典1〜3)、最低賃金法(出典17)、職場実習(出典4・6〜12・18)、施設外就労(出典13〜16)。

数字の読み方

02トライアル雇用

トライアル雇用とは?期間はどれくらい?

続けて雇われることをめざして、期間を決めて試しに雇われる制度です。期間は原則3か月で、精神障害のある人は長くなります。

雇われて働くので、期間中も給料を受け取ります。給料は、最低賃金以上です。期間中の労働条件は、原則として、続けて雇われた後と同じです。違うところは、求人票にあらかじめ書かれます。

所定労働時間は、週20時間以上です。これより短い時間から始める制度は、次の節で説明します。

対象になるには、続けて雇われることと、トライアル雇用で雇われることの両方を希望している必要があります。ハローワークまたは民間の職業紹介事業者などの紹介で雇われます。くわしい条件は、下の「くわしく見る」と、ハローワークで確かめます。

続けて雇われるかどうかは、期間の終わりに決まります。この制度は、続けて雇われる働き方へ移ることを目的にしています。

応募の相談は、ハローワークの障害者専門窓口でします。このサイトは、トライアル雇用の求人を紹介しません。

くわしく見る(人によって違う期間の決まり)

ここでの期間は、雇われる期間です(会社への助成の期間は別)。

  • 通常の期間: 原則3か月。重度でない身体障害・知的障害のある人は、本人と会社が合意すれば、1か月または2か月にもできます。この場合は、延ばせません。
  • 精神障害のある人: 原則6か月以上12か月以内。期間中に合意すれば、当初の期間を含めて最大12か月まで延ばせます。合意で3か月以上5か月以内にもできます。この場合は、延ばせません。
  • テレワーク勤務をする人(精神障害のある人を除く): 原則3か月以上6か月以内。
くわしく見る(対象の条件)

対象になるのは、次の条件に当てはまる人です。当てはまるかどうかは、ハローワークで確かめます。

  • ハローワークなどに、求職を申し込んでいる。
  • 続けて雇われることを希望している。トライアル雇用の制度を理解し、トライアル雇用で雇われることも希望している。
  • 重度の身体障害・知的障害のある人か、精神障害のある人であること。それ以外の人は、次のどれかに当てはまること。
    • 紹介日に、経験のない職業を希望していること。
    • 紹介日前の2年以内に2回以上、離職または転職を繰り返していること。
    • 紹介日前の離職している期間が6か月を超えること。

紹介の日に、すでに続けて雇われている人や、学校に在籍している人などは、原則として対象になりません。ただし、重度の身体障害・知的障害のある人や精神障害のある人などは、すでに雇われていても対象になりうる人がいます。学校に在籍している人にも、例外があります。

障害者手帳がない人でも、医師の診断書などで障害があることが確かめられれば、対象になる場合があります。就労継続支援A型を利用している人は、原則として、トライアル雇用の対象になりません。

くわしく見る(テレワーク勤務)

テレワーク勤務は、週の所定労働時間の2分の1以上を、情報通信技術を使って、家またはサテライトオフィスで働く形です。トライアル雇用の期間の各月の平均で数えます。在宅の働き方は、在宅で働く場合のページで見られます。

出典: トライアル雇用の要領(出典1・2・3)、最低賃金法(出典17)、A型の取り扱い(出典13)。

数字の読み方

03短い時間から試す

週20時間より短い時間から、試せる?

精神障害または発達障害のある人には、短い時間から試す短時間トライアル雇用があります。はじめは週10時間以上20時間未満です。

対象は、継続して雇われることを希望し、この制度も希望している、精神障害のある人または発達障害のある人です。ハローワークや民間の職業紹介事業者などの紹介で雇われます。

はじめの所定労働時間は、週10時間以上20時間未満です。職場への慣れや体調に応じて、本人との合意で、期間中に週20時間以上をめざします。期間は3か月から12か月です。

身体障害や知的障害のある人は、02のトライアル雇用の条件で確かめます。助成金を受け取るのは、人を雇う会社です。

週の時間ごとの働き方は、雇用形態と週の時間のページで見られます。短い時間から始める働き方は、そのページの05(短い時間から始める)にあります。

出典: トライアル雇用の要領(出典1・2・3)。

数字の読み方

04職場実習の相談先

職場実習は、どこに相談する?

職場実習は、支援機関や利用中の事業所、学校に相談します。都道府県が会社に頼んで行う適応訓練は、ハローワークがあっせんします。

職場実習の相談先は、表2のとおりです。このサイトは、実習先や求人を紹介しません。

表2 相談先と、そこでできること
相談先できること
障害者就業・生活支援センター(なかぽつ)仕事と生活の相談。就職に向けた準備として、職業準備訓練や職場実習のあっせんをします
地域障害者職業センター職業評価や、職業準備支援(講習や作業体験など)をします。利用する前に、電話などで連絡します
ハローワークの障害者専門窓口適応訓練を受けることのあっせんや、トライアル雇用の紹介をします
利用中の就労移行支援の事業所実習について、相談できます
在学中の学校(特別支援学校など)学校の実習について、相談できます

埼玉県の例として、県のページ「障害者就業・生活支援センター一覧」で、圏域ごとのなかぽつを探せます。

実習で確かめたいことは、見る前・見た後シートに書いて、くらべられます。始業、休憩の回数、作業の区切り、報告の時機、終業を書く欄があります。職種ページの「1日の例」と一緒に見ます。

見る前・見た後シート 職種の一覧

くわしく見る(適応訓練)

適応訓練は、都道府県が必要があると認めるときに、能力に合った作業の環境に慣れやすくするために行う訓練です。対象は、身体障害・知的障害・精神障害のある求職者です。作業の環境が標準的と認められる会社に頼んで、行われます。

ハローワークは、必要があると認めるときに、適応訓練を受けることをあっせんします。受講は無料です。訓練の期間は、1年以内が基準です。都道府県は、適応訓練を受ける人に、手当を支給できます。手当の額や種類は、あっせんを受けるときに確かめます。

出典: 適応訓練(出典4・5)、相談先(出典6〜10・12)、学校の実習(出典18)、埼玉県の例(出典19)。

数字の読み方

05施設外就労

施設外就労は、会社に雇われて働くこと?

会社に雇われる形ではありません。福祉サービスの事業所が会社から請け負った作業を、利用している人が会社の中で行う形です。

施設外就労は、就労移行支援と、就労継続支援のA型・B型の事業所が行う支援の形です。

厚生労働省の通知は、作業をする会社と事業所が、請負の契約を結ぶとしています。作業についての指導は、会社ではなく事業所が行います。利用している人と事業所の関係は、事業所の中で作業する場合と同じとされています。このため、作業をする会社に雇われる形ではありません。

A型の人は、原則として、利用するA型の事業所と雇用契約を結んでいます。B型の人は、事業所から工賃を受け取ります。

福祉サービスの利用には、市区町村の支給決定を受けます。施設外就労を行う人は、事前に個別支援計画に書かれます。相談は、利用している事業所と、市区町村の障害福祉の窓口にします。

くわしく見る(施設外支援とのちがい)

事業所の外で行う支援は、通知では「施設外支援」と「施設外就労」に分けて書かれています。施設外支援には、実習なども含まれます。くわしい決まりは、利用している事業所で聞けます。

出典: 施設外就労の通知(出典13)、サービスの利用の手続き(出典14)、A型の雇用契約とB型の工賃(出典15・16)。

数字の読み方

06よくある質問

試すことについて、よく聞かれることは?

トライアル雇用の給料、精神障害のある人の期間、終わった後、在宅で試せるか、会社の助成金をまとめました。

Qトライアル雇用の間も、給料は出る?

はい、雇われて働くので、給料を受け取ります。給料は、最低賃金以上です。労働条件は原則として、続けて雇われた後と同じで、違うところは求人票に書かれます。

Q精神障害のある人のトライアル雇用の期間は?

期間は原則6か月以上12か月以内です。期間中に合意すれば、当初の期間を含めて最大12か月まで延ばせます。本人と会社が合意すれば3か月以上5か月以内にもできますが、この場合は延ばせません。ここでの期間は、雇われる期間です。会社が受け取る助成金の対象になる期間とは別です。

Qトライアル雇用が終わったら、そのまま働ける?

続けて働けるかどうかは、期間の終わりに決まります。トライアル雇用は、続けて雇われる働き方へ移ることを目的にした制度です。続けて雇われないときは、ハローワークや相談先と、次を考えます。

Qトライアル雇用は、在宅でもできる?

はい、在宅で働く形も制度に入っています。週の所定労働時間の2分の1以上を、情報通信技術を使って家やサテライトオフィスで働くと、テレワーク勤務の扱いです。精神障害のある人を除き、期間は原則3か月以上6か月以内です。在宅で働く場合

Q会社は、トライアル雇用で助成金を受け取る?

はい、条件を満たすと、会社が受け取ります。助成金は、働く人に払われるお金ではありません。本人は、会社から給料を受け取ります。

出典: トライアル雇用の要領(出典1・2・3)、最低賃金法(出典17)。

07出典と確認日

このページの出典と確認日

このページは、トライアル雇用の要領と法令、国の通知、編集部の採用ページ調査から書いています。

番号出典確認日使った節
1厚生労働省『障害者トライアルコース・障害者短時間トライアルコース』2026年10月21日確認冒頭、01、02、03、06
2厚生労働省『障害者トライアル雇用事業実施要領』、令和8年(2026年)4月8日改正2026年10月22日確認冒頭、01、02、03、06
3厚生労働省『雇用関係助成金 支給要領「5 トライアル雇用助成金 (2)障害者トライアルコース・(3)障害者短時間トライアルコース」』、令和8年(2026年)4月8日版2026年10月22日確認01、02、03、06
4『障害者の雇用の促進等に関する法律 第13条〜第15条(適応訓練)』2026年10月22日確認01、04
5『障害者の雇用の促進等に関する法律施行規則 第4条(適応訓練の基準)』2026年10月22日確認04
6『障害者の雇用の促進等に関する法律 第22条(地域障害者職業センターの業務)』2026年10月22日確認01、04、相談できる公的な窓口
7『障害者の雇用の促進等に関する法律 第27条・第28条(障害者就業・生活支援センター)』2026年10月22日確認01、04
8厚生労働省 職業安定局『障害者の身近な地域において就業面と生活面の一体的な相談・支援を行う「障害者就業・生活支援センター」を設置』2026年10月22日確認01、04、相談できる公的な窓口
9独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)『就職支援・相談窓口(地域障害者職業センターによる支援)』2026年10月22日確認01、04、相談できる公的な窓口
10独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)『職業準備支援のご案内・地域障害者職業センターのご案内』2026年10月22日確認01、04、相談できる公的な窓口
11厚生労働省・都道府県労働局・ハローワーク『障害者雇用のご案内 ~共に働くを当たり前に~ 事業主の方へ』2026年10月21日確認01
12厚生労働省『ハローワークインターネットサービス 障害のある皆様へ』2026年10月22日確認01、04、相談できる公的な窓口
13厚生労働省 社会・援護局 障害保健福祉部『就労移行支援事業、就労継続支援事業(A型、B型)における留意事項について(障障発第0402001号。最終改正 障障発0331第2号)』2026年10月22日確認01、02、05、相談できる公的な窓口
14『障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律 第19条・第28条』2026年10月22日確認01、05、相談できる公的な窓口
15『指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準 第190条』2026年10月21日確認01、05
16『指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準 第201条』2026年10月21日確認01、05
17『最低賃金法 第4条』2026年10月21日確認01、02、06
18文部科学省 初等中等教育局特別支援教育課・厚生労働省 障害福祉課『就労系障害福祉サービスにおける教育と福祉の連携の一層の推進について(事務連絡)』2026年10月22日確認01、04
19埼玉県『障害者就業・生活支援センター一覧』2026年10月22日確認04、相談できる公的な窓口
20株式会社イチドキリ編集部『障害者雇用 採用ページ調査2026(埼玉・東京270社)』2026年10月17日・20日確認冒頭、07

数字の読み方

採用ページ調査の社数
社数は、編集部の採用ページ調査(出典20)で数えたものです。母数は、確かめた246社のうち、配慮を具体的に書いている161社です。「実習やトライアル雇用で試せる」は、実習とトライアル雇用を分けて数えていません。採用ページに書いていないことは、ないという意味ではありません。調べたのは、埼玉と東京の会社です。
制度の期間と対象
トライアル雇用の期間は、実施要領にある、雇われる期間です。会社が受け取る助成金の対象になる期間とは別です。要領の版は、令和8年(2026年)4月8日改正です。制度が変わったら、期間と対象を確かめ直して直します。
確認日
各出典の確認日は、上の一覧のとおりです。

更新履歴 2026.10.24 公開しました。トライアル雇用の要領の版が変わったら、期間と対象を確かめ直して直します。記載の誤りは訂正窓口へお知らせください。

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