01仕事の中身(障害の種類からみる)

発達障害のある人は、障害者雇用でどんな仕事に就いている?

いちばん多いのはサービスの仕事で、事務の仕事と運搬・清掃・包装の仕事が続きます。サービスの職業は27.1%です(全国・令和5年度(2023年度))。

このページは、向き不向きを決めるものではありません。国の調査で、実際に就いている仕事を見ます。

更新日 2026.10.26 データの時点 障害者雇用実態調査 令和5年度(2023年度)、職業紹介状況 令和7年度(2025年度)
編集・監修 徳永崇志(株式会社イチドキリ 代表取締役。就労継続支援B型事業所 ぽちぽちの道を運営)

01就いている職業

発達障害のある人は、どんな職業で働いている?

いちばん多いのはサービスの仕事で、事務の仕事と運搬・清掃・包装の仕事が続きます。

図1 発達障害のある人の職業(上位5つ)(全国・令和5年度(2023年度))
サービス27.1%事務22.7%運搬・清掃・包装12.5%販売9.5%生産工程7.4%0%10%20%30%40%
くわしく見る(すべての職業と、職業の分け方)
発達障害のある人の職業別の割合
職業(国の分類)割合
管理的職業0.0%
専門的・技術的職業5.8%
事務的職業22.7%
販売の職業9.5%
サービスの職業27.1%
保安の職業0.1%
農林漁業の職業0.5%
生産工程の職業7.4%
輸送・機械運転の職業0.0%
建設・採掘の職業2.0%
運搬・清掃・包装等の職業12.5%
無回答12.3%

サービスの職業は、調理・接客・介護・クリーニングなどの仕事です。運搬・清掃・包装等の職業は、物の運搬、建物の清掃、包装や仕分けなどの仕事です。生産工程の職業は、製造・加工・組立・印刷などの仕事です。

出典: 厚生労働省『令和5年度 障害者雇用実態調査』結果報告書の職業別の図(出典1)。職業の分け方は日本標準職業分類(出典3)。

02最近の就職

最近ハローワークで就職した人は、どんな仕事?

ハローワークの集計には、発達障害のある人だけの値がありません。

ハローワークの集計は、手帳の種類ごとの区分で数えます。手帳を持たない発達障害のある人は、難病などの人と合わせて「その他の障害者」に入ります。その他の障害者には、手帳を持つ人も一部入っています。そのため、発達障害のある人だけの就職の値はありません。

精神障害のある人の就職の職業

出典: 厚生労働省『令和7年度 障害者の職業紹介状況』の注(出典2)。

03このサイトの職種で言うと

このサイトの職種で言うと、どの仕事?

国の職業の分け方と、このサイトの職種は同じではありません。近い仕事を並べます。

このサイトの職種と近い国の職業
このサイトの職種近い国の職業発達障害のある人の割合
事務補助・データ入力事務的職業22.7%
軽作業・発送・仕分け運搬・清掃・包装等の職業12.5%
清掃・ビルメンテナンス運搬・清掃・包装等の職業12.5%
食品・調理補助サービスの職業27.1%
印刷・スキャン生産工程の職業7.4%
IT・Web専門的・技術的職業5.8%

右の割合は、その国の職業で働く発達障害のある人の割合です。国の職業には、このサイトの職種のほかの仕事も入ります。軽作業と清掃は、どちらも国の「運搬・清掃・包装等の職業」に入るので、同じ値になります。

出典: 厚生労働省『令和5年度 障害者雇用実態調査』(出典1)。対応は編集部の分け方。

04時間と雇用形態

週何時間で、どんな雇用形態で働いている?

週30時間以上で働く人は60.7%です(全国・令和5年度(2023年度))。

週の所定労働時間の割合
週の所定労働時間割合
週30時間以上60.7%
週20時間以上30時間未満30.0%
週10時間以上20時間未満4.8%
週10時間未満3.9%

正社員として働く人は36.6%です。週の時間の段は働き方のページに、正社員・契約社員・パートの違いは雇用の形のページにまとめています。

雇用形態と週の時間 障害者雇用の正社員・契約社員・パート

出典: 厚生労働省『令和5年度 障害者雇用実態調査』結果報告書の週の所定労働時間と雇用形態(出典1)。

05給料

給料はどのくらい?

平均賃金は月13.0万円です(全国・令和5年度(2023年度))。週の時間で違います。

週の所定労働時間別の平均賃金
週の所定労働時間平均賃金(月)
週30時間以上15.5万円
週20時間以上30時間未満10.7万円
週10時間以上20時間未満6.6万円
週10時間未満2.1万円

時給で払われている人は44.2%です。最低賃金と週の時間から計算した月額の例は、お金のページにあります。

給料と月額の計算例

出典: 厚生労働省『令和5年度 障害者雇用実態調査』結果報告書の賃金の状況(出典1)。

06勤続

どのくらい続けて働いている?

平均の勤続は5年1か月です(全国・令和5年度(2023年度))。

平均の勤続は、新しく雇われた人が多いと短く出ます。

出典: 厚生労働省『令和5年度 障害者雇用実態調査』結果報告書の勤続年数(出典1)。

07配慮

職場では、どんな配慮がある?

いちばん多いのはnullで、配慮をしている事業所の61.2%が挙げています。

図2 発達障害のある人への配慮(上位3つ)(全国・令和5年度(2023年度))
  1. 休暇を取りやすくし、勤務中の休憩を認めるなど、休養への配慮61.2%
  2. 短い時間の勤務など、勤務時間の配慮50.9%
  3. 通院や服薬の管理など、雇用管理での配慮47.9%

割合は、配慮をしていると答えた事業所の中での値です。発達障害のある人を雇う事業所のうち、配慮をしていると答えたのは38.0%でした。

職場の合理的配慮の例

出典: 厚生労働省『令和5年度 障害者雇用実態調査』結果報告書の雇用している障害者への配慮事項(出典1)。

08病名

ADHDのある人とASD(自閉スペクトラム症・アスペルガー症候群)のある人で、仕事は違う?

病名ごとの仕事の割合は、このページで使った国の調査にはありません。雇用されている人の病名の内わけはあります。

図3 雇用されている発達障害のある人の病名の内わけ(全国・令和5年度(2023年度))
  • 自閉スペクトラム症(ASD。自閉症、アスペルガー症候群など)69.1%
  • ADHD(注意欠陥多動性障害)15.2%
  • 学習障害2.4%
  • 言語の障害、協調運動の障害1.2%
  • その他2.8%
  • 病名が分からない9.2%

自閉スペクトラム症(ASD。自閉症、アスペルガー症候群など)

雇用されている発達障害のある人で、いちばん多い病名です。仕事の割合を病名で分けた値はありません。

ADHD(注意欠陥多動性障害)

ADHD のある人だけの職業・賃金・勤続の値は、このページで使った国の調査にはありません。このページの値は、発達障害のある人全体の値です。

学習障害

学習障害のある人だけの値も、このページで使った国の調査にはありません。

精神障害者保健福祉手帳の3級・2級で、障害者雇用で働ける?

働けます。会社が障害者雇用率に数える精神障害のある人は、精神障害者保健福祉手帳を持つ人で、法律は等級で分けていません。発達障害のある人も、この手帳を持っていれば精神障害のある人として数えます。雇用されている発達障害のある人では、3級の人がいちばん多く41.1%でした(全国・令和5年度(2023年度))。

図4 雇用されている発達障害のある人の、精神障害者保健福祉手帳の等級(全国・令和5年度(2023年度))
  • 1級0.7%
  • 2級23.6%
  • 3級41.1%
  • 等級が分からない(手帳で確かめている)16.3%
  • 医師の診断書などで確かめている1.0%
  • 無回答17.3%

会社が手帳で障害を確かめている人は81.7%です。等級ごとの職業や賃金の値は、このページで使った国の調査にはありません。週20時間以上30時間未満で働く精神障害のある人は、当分の間の特例で1人と数えます。

手帳の等級は3つで、政令は3級を「日常生活若しくは社会生活が制限を受ける」程度などと定めています。等級の決まり方や手帳の取り方は、別のサイトのコラムにまとめています。

障害者手帳の種類と等級(ぽちぽちの道のコラム) 障害者雇用(障害者雇用枠)とは

ぽちぽちの道のコラムは別のサイトで開きます。運営は同じ株式会社イチドキリです。

特性や手帳の取り方は、このサイトでは扱っていません。

出典: 厚生労働省『令和5年度 障害者雇用実態調査』結果報告書の障害の程度・疾病別の図と用語の定義(出典1)。雇用率の数え方は厚生労働省・都道府県労働局・ハローワーク『障害者雇用のご案内 ~共に働くを当たり前に~ 事業主の方へ』(出典5)、手帳の等級は精神保健福祉法施行令 第6条(出典6)。

09ADHDのある人の仕事と働き方

ADHDのある人は、どんな仕事と働き方をしている?

ADHDのある人だけの職業の値は、国の調査にありません。仕事の名前よりも、指示の出し方や相談の相手など、職場の配慮で働きやすさが変わります。

ADHDとは(国の説明)

国の発達障害情報・支援センターは、ADHD(注意欠陥多動性障害)を、注意を続けることの難しさや、年齢や発達に見合わない多動性・衝動性、またはその両方が特徴の障害と説明しています。どの特性がどのくらい出るかは人によって違い、ASD など、ほかの発達障害の特徴と重なることも多いとされています(出典7)。雇用されている発達障害のある人のうち、病名が ADHD の人は15.2%です(全国・令和5年度(2023年度)、出典1)。

障害者雇用で働く発達障害のある人の職種の傾向

ADHD だけの値がないので、発達障害のある人全体の値で見ます。サービスの仕事が27.1%、事務の仕事が22.7%、運搬・清掃・包装の仕事が12.5%です(全国・令和5年度(2023年度)、出典1)。週30時間以上で働く人は60.7%です。

食品・調理補助の仕事 事務補助・データ入力の仕事 軽作業・発送・仕分けの仕事 清掃・ビルメンテナンスの仕事

働き方を考えるときの手がかり

国の資料が挙げる配慮から、働き方を考えるときに確かめたい点を並べます。どれも、会社に申し出て話し合って決めるものです。

  • 指示と予定がはっきりしているか 合理的配慮指針は、発達障害のある人への配慮の例に、業務指示やスケジュールを明確にし、指示を一つずつ出すこと、作業手順を図などで示したマニュアルを作ることを挙げています(出典4)。
  • 気が散りにくい席や、決まりの見せ方 厚生労働省の講座は、配慮のポイントに、気の散りにくい座席の位置の工夫、わかりやすいルールの提示、短くはっきりした伝え方を挙げています(出典8)。
  • 相談の相手が決まっているか 指針は、業務指導や相談の担当者を定めることも挙げています。
  • 休憩と時間の配慮 発達障害のある人に配慮をしている事業所が挙げた配慮で、いちばん多いのは休養への配慮で61.2%、次が勤務時間の配慮で50.9%です(出典1)。

「ADHDに向かない」と言われる仕事と、その理由

就職支援の会社などの解説でよく挙がるのは、細かい確認が長く続く仕事、いくつもの仕事を同時に進める仕事、急な締め切りや予定の変更が多い仕事です。理由として挙がるのは、注意を続けにくいことや、思いついたらすぐ動くことが、抜けやミスにつながりやすい場面だからです。

ただ、国の調査は ADHD のある人の向き不向きを数えていません。同じ事務の仕事でも、指示を一つずつ受ける、チェック表を使う、作業の区切りを決めるといった配慮で、困りごとが減ることがあります。仕事の名前だけで外さず、実習で職場を試してから決める道もあります。

実習・トライアル雇用で試す

面接と職場で受けられる配慮の例

合理的配慮指針が、発達障害のある人への配慮の例として挙げているものです(出典4)。

  • 面接に、就労支援機関の職員などの同席を認める
  • 面接や採用試験で、文字によるやりとりや、試験時間の延長などを行う
  • 出退勤の時刻・休暇・休憩を、通院や体調に合わせる
  • 感覚過敏をやわらげるため、サングラスや耳栓の使用を認める
  • 本人のプライバシーに配慮したうえで、ほかの社員に障害の内容や必要な配慮を説明する

配慮をしている事業所のうち、「テレワークを活用できる」を挙げたのは11.5%です(出典1)。

職場の合理的配慮の例 在宅・テレワーク

出典: 厚生労働省『令和5年度 障害者雇用実態調査』(出典1)、厚生労働省『合理的配慮指針(平成27年厚生労働省告示第117号)』の別表(出典4)、国立障害者リハビリテーションセンター 発達障害情報・支援センター『各障害の定義』(出典7)、厚生労働省『精神・発達障害者しごとサポーター養成講座 e-ラーニング版「発達障害の特性(代表例)」』(出典8)。

10よくある質問

よく聞かれることは?

向いている仕事、ひとりでできる仕事、在宅、手帳がない場合などに答えます。

Q向いている仕事は、障害の種類で決まる?

このサイトは、障害の種類で向き不向きを決めていません。同じ種類でも、就いている仕事は分かれています。実際に就いている仕事の割合と、職場で受けられる配慮をくらべて考えます。働く前に、実習で職場を試す道もあります。 実習・トライアル雇用で試す

Qひとりでできる仕事や、人と話すことの少ない仕事は?

国の調査に「ひとりで」「話すことが少ない」という区分はありません。仕事の中身は、職種のページで作業ごとに見られます。 職種の一覧

Q在宅で働ける?

在宅で働ける会社もあります。採用ページに在宅の記載がある会社の数は、在宅のページにまとめています。 在宅・テレワーク

Q障害者手帳がなくても、障害者雇用で働ける?

会社が障害者雇用率に数えられるのは、原則として障害者手帳を持つ人です。手帳がない場合の選択肢は、別のサイトのコラムにまとめています。 障害者手帳がなくても障害者雇用で働ける?(ぽち道のコラム)

Q障害を、会社に伝える必要はある?

障害を伝えて働くか(オープン)、伝えずに働くか(クローズ)は、本人が選びます。障害者雇用の枠で応募するときは、障害を伝えて働くことになります。病名をどこまで伝えるかは、それとは別に決めます。求人の種類ごとの定着率と、会社が障害を確かめるときの国の決まりは、別のページにまとめています。 オープン就労とクローズ就労のちがい

QADHDのある人は、障害者雇用でどんな仕事をしている?

ADHDのある人だけの職業の値は、国の調査にありません。発達障害のある人全体では、サービスの仕事と事務の仕事が多く、運搬・清掃・包装の仕事が続きます。働きやすさは、仕事の名前よりも、指示の出し方や相談の相手など職場の配慮で変わることが多いため、配慮の例とあわせて見てください。 ADHDのある人の仕事と働き方

QADHDに向かないと言われる仕事は、本当に避けたほうがいい?

よく挙がるのは、細かい確認が長く続く仕事、いくつもの仕事を同時に進める仕事、急な締め切りや予定の変更が多い仕事です。国の調査は、ADHDのある人の向き不向きを数えていません。同じ仕事でも、指示を一つずつ出す、手順を図にしたマニュアルを使うといった配慮で、困りごとが減ることがあります。 向かないと言われる理由と配慮

Q精神障害者保健福祉手帳の3級でも、障害者雇用で働ける?

働けます。会社が障害者雇用率に数えるのは手帳を持つ人で、法律は等級で分けていません。雇用されている発達障害のある人では、3級の人がいちばん多くなっています。等級ごとの割合は、病名の節にあります。 手帳の等級と障害者雇用

障害の特性や手帳のことは、同じ株式会社イチドキリが運営する別のサイトのコラムにまとめています。

11出典と確認日

このページの出典と確認日

国の障害者雇用実態調査と、ハローワークの職業紹介状況から書いています。働き方の節は、国の指針・手引きと支援機関の資料から書いています。

数字の読み方

いま働いている人と、最近就職した人
図1は、従業員5人以上の民間の事業所で雇用されている人の職業です。ハローワークの値は、その年にハローワークを通じて就職した件数の職業です。時点も数え方も違うので、同じ表にはしていません。
病名の割合
病名の割合は、雇用されている人の内わけです。仕事や賃金を病名で分けた値ではありません。
正社員の割合
正社員の割合は、無期契約と有期契約の正社員を足した値です。
平均の値
平均賃金と平均の勤続は、短い時間の人や、長く働いている人も含めた値です。働きはじめの額や、続けやすさの目安ではありません。
加工
国の公表資料をもとに、編集部が並べかえて作りました(公共データ利用規約にもとづく)。

更新履歴 2026.10.26 公開しました。国の調査が新しくなったら、数を確かめ直して直します。記載の誤りは訂正窓口へお知らせください。

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