数字で答える12問
障害者雇用のよくある疑問は、数字で見るとどうなる?
よく聞かれる12の疑問に、数字で答えます。国の統計と、編集部が確かめた246社の採用ページから数えた社数を使います。
体験談や評判ではなく、出典のある数字だけで答えています。くわしい説明は、問いの下のリンク先のページにあります。
更新日 2026.10.24 データの時点 職業紹介状況 令和7年度(2025年度)、雇用状況 令和7年(2025年)6月1日現在、実態調査 令和5年度(2023年度)、最低賃金 令和8年度(2026年度)・発効日は都道府県ごと、法定雇用率 2026年7月から、採用ページ調査 2026年10月17日・20日確認
編集・監修 徳永崇志(株式会社イチドキリ 代表取締役。就労継続支援B型事業所 ぽちぽちの道を運営)
01特例子会社と会社の雇用
特例子会社や会社の雇用は、数字で見るとどう?
特例子会社で働く人の数、紹介している仕事の数、法定雇用率の変更で答えます。評判ではなく、統計と調査の数だけを使います。
問1特例子会社は「やめとけ」と言われる。数字で見るとどう?
特例子会社で働く障害のある人は53,710.5人です(令和7年(2025年)6月1日現在)。「やめとけ」と言われるかどうかは、働く人や会社で違い、数字では決められません。全国の特例子会社は、同じ時点で631社あり、前の年より17社増えました。
くわしく見る(表1 特例子会社を数字で見る、見学や実習で確かめられること)
| 見るもの | 数 | 時点・母数 |
|---|---|---|
| 全国の特例子会社 | 631社 | 全国・令和7年(2025年)6月1日現在 |
| そこで働く障害のある人 | 53,710.5人(身体 12,920.0人・知的 26,739.5人・精神 14,051.0人) | 全国・令和7年(2025年)6月1日現在 |
| 事務補助・データ入力の仕事を紹介している会社 | およそ7割(150社) | 確かめた特例子会社211社 |
| 配慮やサポートを具体的に書いている会社 | およそ7割(150社) | 同じ |
| 正社員への登用を書いている会社 | およそ2割(41社) | 同じ |
| 在宅で働けると書いている会社 | およそ2割(38社) | 同じ |
事務補助・データ入力と配慮の社数は、数が同じだけで、同じ会社の集まりではありません。
特例子会社が何かは、用語の説明で見られます。仕事の中身、指導する社員がいるか、登用の制度は、見学や実習のときに会社へ聞いて確かめられます。実習は実習・トライアル雇用で試すで見られます。
出典: 雇用状況(出典2)、特例子会社一覧(出典21)、採用ページ調査(出典11)
数字の読み方問2特例子会社の仕事は、つまらない?
確かめた特例子会社のおよそ7割(150社)が、事務補助を紹介しています。仕事の分け方は事務補助・データ入力で、母数は確かめた特例子会社211社です。つまらないかどうかは人によって違い、この数字からは決められません。
出典: 採用ページ調査(出典11)
数字の読み方問32026年7月から、障害者雇用で何が変わった?
民間企業の法定雇用率が2.7%に上がりました(2026年7月から)。2026年6月までは2.5%でした。雇う義務のある会社は、常時雇用する労働者が40.0人以上から、37.5人以上に広がりました。日本年金機構の案内では、2026年10月1日に、健康保険・厚生年金の月8.8万円以上という賃金の条件がなくなりました。
出典: 法定雇用率(出典5)、社会保険の条件(出典13)
02仕事と1日
どんな仕事を、どんな1日で、どこで働いている?
就職した職業、1日の始まる時刻、在宅で働けるかを、数字で答えます。くわしくは、問いごとのリンク先のページにあります。
問4障害者雇用で就職した人に、いちばん多い職業は?
運搬・清掃・包装等が29.5%で、いちばん多い職業です(全国・令和7年度(2025年度))。ハローワークを通じた就職115,178件のうちの割合で、国全体の就職の数ではありません。次に多いのは事務で、25.9%です。向き不向きを表す値ではありません。
くわしく見る(障害の種類ごとの職業)
障害の種類ごとの職業は、公的統計のページで、同じ形で並べて見られます。公的統計: 職業別の割合
出典: 職業紹介状況(出典1)
数字の読み方問5障害者雇用の1日は、何時に始まることが多い?
始業が10時より前の会社は、読み取れた会社のおよそ9割(41社)です。始業の時刻の真ん中の値は9:00、終業は17:00です。会社が採用ページで紹介している1日で、短い時間で働く人の1日とは限りません。
出典: 1日のかたちの集計(出典12)
数字の読み方問6在宅で働ける障害者雇用は、どれくらいある?
確かめた会社のうち、採用ページで在宅で働けると書く会社は、およそ2割(39社)です。「在宅はない」と明記した会社も4社あります。在宅の対象を限る会社もあるので、求人票で確かめてください。
くわしく見る(母数、対象を限る書き方、福祉サービスとの違い)
母数は、確かめた246社です。
在宅で働けると書く会社のうち、一部の職種や上限の日数などの条件を書く会社は、23社です。
ここで見ているのは、会社に雇われて家で働く話です。福祉サービスを自宅で使う話とは、別のことです。在宅で働く場合
出典: 採用ページ調査(出典11)
数字の読み方03お金
障害者雇用の給料は、いくらになる?
最低賃金からの計算例と、実際に働く人の平均賃金で答えます。都道府県ごとの額は、お金のページで見られます。
問71日6時間・週5日で働くと、月いくら?
最低賃金で計算すると、月およそ15万3千円になります。令和8年度(2026年度)の全国加重平均の最低賃金(時給1,177円)で、時給×週30時間×52÷12で計算しました。交通費や手当を含まず、税や社会保険料を引く前の額です。
くわしく見る(都道府県を選んで計算し直す)
計算例は、都道府県を選んで計算し直せます。職場のある都道府県の最低賃金で計算すると、額が変わります。給料と月額の計算例
出典: 最低賃金(出典7)、計算例(出典8)
数字の読み方問8障害者雇用の最低賃金は、時給いくら?
令和8年度(2026年度)の全国加重平均は時給1,177円で、都道府県ごとに違います。障害者雇用でも、雇用契約で働くなら最低賃金が当てはまります。減額の特例は、都道府県労働局長の許可を受けた場合に限られ、障害があるというだけではできません。
くわしく見る(減額の特例の対象、都道府県ごとの時給)
減額の特例の対象は、障害のある人だけではありません。試の使用期間(試用期間)中の人なども、条文に入っています。
地域別の最低賃金は、職場のある都道府県の額で決まります。都道府県ごとの時給と発効日は、給料と月額の計算例の表で見られます。
出典: 最低賃金(出典7)、最低賃金法(出典9・10)
数字の読み方問9障害者雇用で働く人の、月の平均賃金は?
平均賃金は、障害の種類で月13.0〜23.5万円です(全国・令和5年度(2023年度))。種類ごとには、身体は23.5万円、知的は13.7万円、精神は14.9万円、発達は13.0万円です。賞与を含まず、週の時間の短い人も含む平均で、働きはじめの額ではありません。
出典: 実態調査(出典3)
数字の読み方04働き方
正社員や短い時間の働き方は、どれくらいある?
正社員の割合と、週10〜20時間で働く人の割合で答えます。合わなかったときの相談先も書きました。
問10障害者雇用で働く人のうち、正社員はどれくらい?
正社員の割合は、障害の種類で20.3〜59.3%です(全国・令和5年度(2023年度))。種類ごとには、身体は59.3%、知的は20.3%、精神は32.7%、発達は36.6%です。契約社員から正社員になる登用の制度があるかどうかは、求人票などで確かめてください。
出典: 実態調査(出典3・4)
数字の読み方問11週10〜20時間で働く人は、どれくらいいる?
週10〜20時間の人は、障害の種類で3.2〜8.4%です(全国・令和5年度(2023年度))。種類ごとには、身体は7.2%、知的は3.2%、精神は8.4%、発達は4.8%です。2024年4月から、この時間で働く人の一部は、会社の雇用率に0.5人として数えられます。対象は、精神障害のある人と、重度の身体障害・重度の知的障害のある人です。
くわしく見る(週10時間未満の区分、数え方)
週10時間以上20時間未満の人の割合です。実態調査には、週10時間未満の区分もあります。前の調査とは区分が違うため、そのままは比べられません。
就労継続支援A型(A型)の利用者は、この0.5人の数え方には入りません。くわしくは用語の説明(特定短時間労働者)で見られます。
週の時間ごとの割合は、雇用形態と週の時間で見られます。
出典: 実態調査(出典3)、雇用率の数え方(出典2・5・6)
数字の読み方問12合わなかったら、福祉サービス(B型など)をまた使える?
使える場合があり、決めるのは市区町村なので窓口で確かめてください。就労継続支援B型(B型)や就労移行支援などを使うには、住んでいる市区町村の支給決定が必要です。厚生労働省の通知では、B型を新しく使うときは、原則として先に就労選択支援を使うとされています。先に使わずにB型を使える場合もあります。まず、市区町村の障害福祉の窓口や、障害者就業・生活支援センター(通称「なかぽつ」)に相談してください。
くわしく見る(就労選択支援、使うまでの流れ、働きながら使える場合、就職後の支援、相談できる窓口)
就労選択支援は、就労面の課題などを把握する支援です。
市区町村は、本人の状況やサービスを使う意向などを見て、支給の要否を決めます。就労継続支援などの訓練等給付を使うまでの主な流れは、厚生労働省の案内では次のとおりです。
- 市区町村の窓口に相談し、申し込む
- 利用を申請する
- サービス等利用計画案を出す
- 支給決定を受ける
雇われて働いている人も、一時的に使える場合があります。法律と省令では、新しく雇われたあとに労働時間をのばしたいときと、休職から復職したいときが、その場合に入っています。就労移行支援や就労継続支援が対象です。
就労移行支援などを使って会社に就職した人は、就労定着支援を受けられる場合があります。就労定着支援では、会社や福祉サービスの事業者、医療機関などとの連絡調整や、相談・助言が行われます。
相談できる窓口は、次のとおりです。個別の判断は、窓口で聞いてください。
- 市区町村の障害福祉の窓口: 福祉サービスの申請と相談
- 障害者就業・生活支援センター(通称「なかぽつ」): 仕事と生活の相談
- ハローワークの障害者専門窓口: 障害のある求職者向けの就職と職場定着の相談
出典: サービスの対象と支給決定(出典14・15・17)、利用の流れ(出典19・20)、相談の窓口(出典5・16・18)
05出典と確認日
この12問の答えは、どの数字から出している?
答えの数字は、国の統計と、編集部が確かめた246社の採用ページ調査から引いています。時点は、問いごとに書きました。
条文や公的な資料も使っています。確認日とあわせて、出典を次に示します。
数字の読み方
このページの数字に共通する読み方を、ここにまとめました。
- ハローワークを通じた就職
- 職業の割合は、ハローワークを通じて就職した人の値です。国全体の就職の数ではありません。就職した人の職業の割合で、向き不向きを表す値ではありません。
- 国の統計の時点
- 特例子会社の数と人数は、令和7年(2025年)6月1日現在の集計です。この集計は、法定雇用率が2.5%だったときの値です。2026年7月からの2.7%の下での値ではありません。
- 特例子会社の人数
- 人数に小数が付くのは、短時間で働く人を0.5人などと数える場合があるためです。数え方は、用語の説明(短時間労働者)で見られます。
- 採用ページ調査の社数と母数
社数は、編集部の採用ページ調査(出典11)で数えたものです。調べた270社のうち、自動での取得を断っている会社など、中身を確かめられなかった会社は入れていません。確かめた246社が母数です。
特例子会社についての社数(表1の下4行と問2)は、確かめた246社のうち、特例子会社の211社が母数です。始業の時刻の割合は、1日の流れが読み取れた45社が母数です。
採用ページに書いていないことは、ないという意味ではありません。調べたのは、国の一覧にある埼玉と東京の会社です。ほかの地域の会社は、この調査に入っていません。
- 割合の言い方
- 「およそ7割」などの割合は、社数を母数で割り、1割きざみに丸めたものです。かっこの中は社数です。
- 平均賃金
- 実態調査の値で、対象は令和5年(2023年)5月分の「きまって支給する給与」です。超過勤務手当を含み、賞与や期末手当は含みません。週の所定労働時間の短い人も含みます。働きはじめの額ではありません。障害の種類ごとの、職種を分けない値です。
- 正社員の割合と週の時間の割合
- 実態調査で、雇われている障害のある人のうちの割合です。障害の種類ごとの、職種を分けない値です。正社員になれる見込みを表す値ではありません。
- 計算例
- 月額は、全国加重平均の最低賃金×週の時間×52÷12で計算した額です。交通費や手当は入れていません。税や社会保険料を引く前の額です。答えの文では、千円未満を切り捨てています。
- 全国加重平均と発効日
- 都道府県ごとの最低賃金から、厚生労働省が出している全国の平均の額です。どの都道府県にもそのまま当てはまる額ではありません。最低賃金の発効日は、都道府県ごとに違います。
- 確認日
- 採用ページは、2026年10月17日に調べ、10月20日に読み直して社数を数えました。そのほかの出典は、出典の表にある確認日に確かめました。
更新履歴
2026.10.24 公開しました。統計が公表されたときと、最低賃金が改定されたときに、答えの数字を直します。公的統計の値は、職業紹介状況は6月、雇用状況は12月の公表にあわせて年1回、実態調査は5年ごとに見直します。記載の誤りは訂正窓口へお知らせください。